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「短歌人」2020年3月号掲載作品

やはらかに過去の恋など語るからこころを花にして聴いてゐる

少年のきみが朝夕見たといふ船そして空そして海鳥

リスク管理甘きわれなりまた人を愛するといふリスクををかす

やや深き傷を私に与へしはたぶんあなたの優しさだらう

すこしづつ目指す地点がずれてゆくいつ別れたる道ともなくて

のこるから手紙は嫌ひだと言つたそのひとの書く文字を知らない

(会員1欄 冨樫由美子)
#短歌 #短歌人

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