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「短歌人」2018年11月号掲載作品

ひとつづつ記憶を保管するために夏の奥処に百の抽斗

夏が逝くときのひかりに癒されてしまひつつある大切な傷

癒さるることを拒否してゐるやうな樹のいつぽんが身のうちにあり

日記にも綴れぬことを手紙には書ける不思議に消印押さる

もう秋の空だねなどと言ひ交はす母と あと幾度の儀式か

(会員2欄 冨樫由美子)

#短歌 #短歌人

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