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「短歌人」2019年6月号掲載作品

一杯の珈琲を飲むためにのみ名残りの雪の舞ふ街までを

珈琲は淹れられてきつ白神のブナの原生林の水もて

カウンター席の窓より秋田杉にて建てられしバスターミナル見ゆ

礼拝に手話通訳をする人のかほの表情ゆたかにうごく

礼拝に祈る一人となるときに閉ぢしまなこの奥のあかるさ

ある朝に部屋に充ち溢るる春の光ひかりは痛みと思ふ

(会員1欄 冨樫由美子)

#短歌 #短歌人

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