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「短歌人」2019年1月号掲載作品

旅人の目をして生きてゐることをまぶかにかぶる帽子に隠す

現世(うつしよ)はとほり過ぎゆくべきところあかるき方(かた)を目指して歩め

階下には父母ねむる深更にもの書き起きてあれば苦しも

瑠璃色の空高ければ愁ひなきごとき装ひして歩みをり

晩秋(おそあき)のひかりのさなか音楽を鳴らして移動図書館が来る

落葉(らくえふ)を手紙と思ふ平凡を愉しみ拾ふいちまいにまい

会員1欄 冨樫由美子

#短歌 #短歌人

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