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「短歌人」2019年11月号掲載作品

ゆふがたは長く伸びゆく影法師ふたりでゐてもひとりでゐても

むらさきのリボンをかけて贈るからけつして開かないでください

あらくさのあをあをしげるあをくさいことをいつまでも言つてゐたいよ

川べりの樹木の多い道をゆく色彩辞典役に立たない

白桃(しらもも)の香りの煎茶飲みながら去りゆく夏の背(せな)を見てゐる

風を聴くうはの空なるひとときを分かちあひたき人もあるかな

(会員1欄 冨樫由美子)

#短歌 #短歌人

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