15.配慮と人材育成とキャリアアップについて

いまの私の立場

いまの会社に勤め始めて3年目。
一般事務の仕事をしておりますが、いま、社内では
「仕事を教えたり、フォローをしたりする立場」
をしております。

私はもともと、20代半ばごろから、ずっと事務職でしたので、事務作業的なことは、電話対応も含め、問題なくできるのですが、
「いちどに複数のことができない」とか
「あいまいな指示はわからない」とか
そういうのが色々とありまして、一般の職場ではなかなかうまくいかなかったんですね。
だからいままでは大体、そういう立場につく前に、転職するという状況だったし、第一自分の事で手一杯なのに、人の面倒まで見る余裕なんてなかったので、正直自分にそういう役目ができるなんて思っていなかったのですが・・・

やってみると意外と何とかなるものです。

プラスになったもの

私は今までさんざん転職してきました。
そのせいで、どんどん一般の雇用では採用されにくくなり、書類選考の段階で落とされることが増えていきましたが、転職しまくったせいで身についたスキルがありますw
それは
「業務マニュアル作成や、仕事をわかりやすく教えること」
でした・・・

転職するとなると、作業の引き継ぎが発生します。
口頭での引き継ぎだけの時もあれば、自分のやっていた仕事を、全部マニュアル化しておいていく、ということをした時もありました。
引き継ぎのために与えられた時間も職場によって全然違って、1ヶ月くらいじっくり時間がかけられた時もあれば3日とか1週間くらいで引き継ぐことになったときもあり・・・

「立つ鳥跡を濁さず」
という言葉があります。
私は、短期間でも、世話になった会社なのだから、辞める時の引き継ぎだけはちゃんとしていきたい、と思うタイプです。
あとの人が困らないように、自分が知っていることはすべて、伝えておきたいし、残していきたい。
そう思って、引き継ぎはいつも一生懸命やってきました。
そしたらいつのまにか、「教えるのがうまい」と言われるように・・・w

人間、何が役に立つかわからないですね本当に。

配慮とキャリアアップ

いまの会社で、このような立場にたてているのは、周囲のおかげでもあります。一般の雇用の場では、絶対無理ですから。

一般の雇用では、「マルチタスクな処理」が求められます。
たとえば、人に作業を教えながら、自分もがっつり作業して、ついでに突然来る電話やメールの対応も・・・みたいな。
私は、そのあたりが無理なのです。

「人に仕事を教える」作業をするとなると、自分の作業は全く進まない。
逆に自分ががっつり作業をするとなると、周りが見えないくらい集中するので電話もメールも無視。
急に話しかけられて作業中断すると、（あれ？なにやってたんだっけ？）ってなるので、復帰に相当時間がかかる。

こういう人間は一般雇用の場では「使えない」ってなる時代なのですよね、いまは・・・（泣）

その点、いまの職場では、そのあたりをじゅうぶん理解していただいて、
「自分はあまり作業せず、仕事を教えたり、フォローをしたりすることに徹し、余裕があったら少し作業したり電話出たりする程度で良い」
というふうに配慮をしてもらっているので、なんとかこなせているのです。

でも私が思うのは、こういう「配慮」って、障害者雇用の場だから受けられる、というものではなく、本当は、良い人材を育てる・良い組織を作るためには「あたりまえにあるべきこと」だと思っています。

私の場合も、メインの仕事である
「仕事を教えたり、フォローをしたりすること」
に集中できるよう、ほかの仕事量などを調整してもらったことで、
「きちんと人に教えることができ、その教えた相手がしっかりとできるようになって、チームとして仕事のスピードや効率が上がった」
という結果が出るようになってきたので、障害者雇用の場だけでなく、一般の雇用の場でも、もっとその人の特性（得意・苦手）に合わせて、ある程度その人に合わせた対応をする、っていうことがあたりまえに行われるようになればいいのになぁ、と思っています。

いまはどの会社も（特に中小企業）余裕がなく、
「手っ取り早く、教育しなくても『できる』人材を採用し、低賃金で使う」
っていう風になっている気がするのですが、もうそのやり方は、限界にきていると、個人的には思っています。

なので、いま私は、自分が教えることになった人を、いかに短期間で、効率よく、「できる人」に育てていくか、というのを、自分なりに考えながら、日々やっております。
自分が教えている相手のキャリアアップをすることももちろんですが、人に教えることで、自分自身も、新たな発見があり、キャリアアップにつながるので、いまの立場は、大変だけれど、やりがいはあると感じています。