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NIHONSHU🇯🇵Sommelière🇫🇷France フランス、ローヌ地方の三つ星レストランのソムリエール。在仏9年目 Facebookグループどなたでも大歓迎です! https://www.facebook.com/groups/249180826194677

マガジン

  • ワインを表現する言葉をソムリエールと手に入れる方法

最近の記事

2021313 レストランで試される集中力

10月末から飲食店が閉まり続けているフランスですが、 春の兆しが見え隠れし始めた最近は、気持ちもアクティブに!店のソムリエチームとワイン生産者さん訪問に行く機会がぐっと増えています。 この訪問、少なくともフランスのソムリエにおいてはとても重要です。(私は日本でソムリエとして働いた経験がありませんので、自分の持つフランスでの経験からの見地です。) 人と人との繋がりをとても大事にする国ですから、どれだけ訪問しているか、話を聞きに行っているか、知ろうとしているか、 その姿勢一つで

    • 人差し指の、ひっそりとした重み

      ヒトが何かを食べるとき、その食べ物に込められた「物語」も一緒に味わっている──そんなセリフを聞いたことはないでしょうか。コーヒーは、まさにその最たる例です。カップ一杯のコーヒーの中には、芳醇なロマンに満ちた「物語」の数々が溶け込んでいます。その液体を口にするとき──意識するしないにかかわらず──私たちは「物語」も同時に味わっているのです。コーヒーの歴史を知ることは、その「物語」を読み解くことに他なりません。歴史のロマンを玩味するにせよ、知識欲の渇きを潤すにせよ、深く知れば知る

      • ギブス

        先日職場から回ってきた連絡メールで目に留まったのが、『今年はコロナの影響で140日間店を閉めている』という一文だった。これ以外に営業時間短縮だった日数や長期休暇も合わせれば、ざっと一年の約半分は働かなかったことになる。これが2020年に私に起きた最大の出来事だ。 飲食店勤務の私にとって、それは人生観をひっくり返す未知の出来事だった。 前日深夜まで使い尽くした体に一度のアラームでは対応出来ない。五、六度目のアラームと大きな窓いっぱいに差し込む朝日の助けを借りて無理やりベッドか

        • 遅いインターネット

          振り返ると私の人生はしばしば本に影響される。 高校の図書館で辻静雄先生の本に出会わなければ今フランスにいなかっただろうし、この自粛期間続けたランニングのお陰か体が引き締まってきたのは、村上春樹が走ることの素晴らしさを謳っていたからだ。 フランスに来てからは、意図的に読書を遠ざけていた。やることは山のようにあった。生活する上でのあらゆる問題に対処していくにはある程度フランス語を覚えなければいけない、引き受けると決めたソムリエという未知なる仕事も覚えていかなければいけない。一人

        2021313 レストランで試される集中力

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        • ワインを表現する言葉をソムリエールと手に入れる方法
          3本

        記事

          - とりあえず言ってみる -

          外国語を習得するためには、いろいろと必要なのですが、実践的に言えばまずは単語力が必要だと思います。私もフランスに来た当初は語学学校へ行っていたのですが、当時は自分の知らない単語はとにかく片っ端から覚えていました。今もなんとかそのとき培った語彙力で凌いでいます。(いい加減に向上しなければ…) 飲み物を表現する単語も、ネットで検索すればするすると出てきます。誠意ある方々が、初心者でも迷わないようにとわかりやすくまとめてくれています。実際に私もフランス語でワインの表現の仕方を覚え

          - とりあえず言ってみる -

          “飲みやすい"からの卒業

          例えば、友達やパートナーから自分では気に留めていない仕草やクセ、習慣をふと言われるって、ありますよね。最近だと私の場合、同僚のフランス人にだし巻き卵を作ったとき、「見て!箸でオムレツを作っている!」と驚かれたことに驚きました。皆こぞって見にきたくらいですから、箸さえまともに触れたことのない地方のフランス人たちにとっては、それこそフランスと日本の融合だったのかもしれません。 “飲みやすい”という単語が、まさに気にも留めていないよく使う言葉の一つの方のために、今回書いています。

          “飲みやすい"からの卒業

          飲み物を表現するってどういうこと?

          例えば、乾杯した一口目のビールを飲んだとき、大多数の人が「冷たくて美味しい!」と言うと思います。 そのあと注文した白ワインを口に含んだ後は、「飲みやすい!」でしょうか。 二つとも、良いですね。共感を求めるコミュニケーションとしては最高です。そのような場合は私もこういった言葉を使うこともあります。 しかし、次に違った飲み物を注文したいときに「冷たくて美味しい」や「飲みやすい」という言葉で店員さんに上手に自分の希望を伝えることはできるでしょうか? ちょっと難しいですね。なぜならば

          飲み物を表現するってどういうこと?