人差し指の、ひっそりとした重み
ヒトが何かを食べるとき、その食べ物に込められた「物語」も一緒に味わっている──そんなセリフを聞いたことはないでしょうか。コーヒーは、まさにその最たる例です。カップ一杯のコーヒーの中には、芳醇なロマンに満ちた「物語」の数々が溶け込んでいます。その液体を口にするとき──意識するしないにかかわらず──私たちは「物語」も同時に味わっているのです。コーヒーの歴史を知ることは、その「物語」を読み解くことに他なりません。歴史のロマンを玩味するにせよ、知識欲の渇きを潤すにせよ、深く知れば知る