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ファッションショーに参加

ヘルパーさん達との生活も最初は色々と大変なこともあったが、徐々に落ち着いてきた。

数秘術やグリーフケアの学びも終えて、私も大分落ち着きを取り戻した。
数秘術に興味を持ってくれた友人たちが私のことを宣伝してくれ、イベントを開催してくれて、数秘術に興味を持ってくれる人が増えた。
その人たちが私の数秘術セッションに申し込んでくれたりして、私も徐々に自信をつけ、自分もまだまだ人の役に立てることを知った。

ある日、イベントを開催してくれた友人たちから、障害者がモデルになるファッションショーがあるから出てみなよと言ってきた。

最初は私がモデルなんて無理と思っていたが、せっかくそういう場を作ってくれているのに障害者が参加しないのは良くないと思ったし、なかなか経験できない事だからこの機会を無駄にしたらもったいないと思い、参加させてもらうことにした。
夫は絶対に出ろというタイプだったので、もしかしたら夫がそうさせてくれたのかなとも思った。

私は人並み程度にオシャレをするのは好きだ。
三姉妹で育ったので、ヘアメイクや美容に関しても、わりと関心度は高かった。
障害者になり、介護が必要になってからもそこは変わっていない。

ファッションショーでどんな衣装でどんなヘアメイクをしてもらえるのかとても楽しみだったが、人前に出るのはものすごく不安だったし苦手意識が強かった。

病気になってから、歩き方もおかしくなり、動きが普通とは違ってしまい、それ以来、人目が怖かった。
歩き方を真似されたり、笑われたこともあったので怖くなってしまったのだと思う。
車椅子で外出しても、ジロジロ見られることが多く、それがすごく嫌だった。

外見に強いコンプレックスを抱いていたので、人に注目されることが苦手になっていたのだ。

でももうそんなことで動けなくなるのはもう止めようと思った。
夫はなぜかよく私に、「もっと前に出ていきな」と言ってくれていた。
夫にも障害があったが、彼はそんなことは気にせず、自分がやりたいことは次々と挑戦し、楽しんでいたのだ。
私ももっと夫のように楽しもうと思った。

そして迎えたファッションショー当日。
私は赤の美しい着物を羽織り、下には白いフリルのドレスを合わせた和洋折衷のゴージャスな衣装を着させてもらった。
こんなに綺麗にしてもらったのは結婚式以来かもしれない。
みんなに褒めてもらい、私も嬉しかった。

ランウェイは緊張が隠せず、終始ひきつった顔になってしまったが、とても素敵な体験をさせてもらった。
他の障害者モデルたちもみんな楽しそうに輝いていた。
楽しんで良いんだ!そう思えた。

その日、共にモデルとして参加していた車椅子の女性が、ファッションショーの前に研修を行なってきたと話してくれた。
車椅子の人でもできる研修ってどんなだろ?と思って聞いてみると、とても興味深い研修だった。

その研修のことがとても気になり、後日また彼女に連絡し、詳細を聞いた。
今度オンラインで参加できる研修があるから参加してみてと言われ、参加することになった。

これが私が今開催している障害平等研修(DET)である。

ファッションショーはこの年から続けて3回参加させてもらった。
健常者と障害者が混ざり合って楽しく作り上げる場は毎年素晴らしいものだった。
こんな機会を頂けたことに感謝している。

そして前に出る勇気もこの経験によって身に着けることができた。

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