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通勤途中に転倒

通勤はいつも同じルートを使っていたので、歩く距離も毎日同じ。
暖かい時期は身体も動かしやすく、なんとなく楽だったが、寒くなってくると身体の動きが悪く、いつも以上に身体の重さを感じていた。

そんなある肌寒い日の朝、私は通勤途中に何もない平な道でも突然転んでしまった。

膝を強打し、地面にうつ伏せで倒れてしまった。顔はギリギリのところでぶつけることはなかったが、その時の地面から伝わる冷たさを今でもなんとなく覚えている。

一番鮮明に覚えているのは、地面に倒れている私の横を通り過ぎる人々の足。
何人か通り過ぎていった。
通勤時間で急いでいる人が多かったせいか、私に声をかけてくれる人は誰一人としていなかった。

私も恥ずかしくて誰とも目を合わせなかった事もあり、話しかけづらいオーラを出していたのかもしれないが、その時は本当に悲しく、孤独だった。
痛みをこらえて立ち上がろうとするのだが、立ち上がるにしても身体が重たく感じた。
まだ20代で体力もあるはずなのに、何もない場所で転ぶ自分が情けなかった。

その後、一人で歩いている際に何度か転倒したことはあったが、アメリカ人が周りにいると反応がまるで違った。
彼らは躊躇せずに一斉に駆け寄ってきて、起き上がるのを助けてくれる。
文化の違いなのだろうか、こういう面は日本人は見習うべきことだと感じた。

朝から派手に転倒してしまった日は1日気分が下がっていた。
新しく購入したてのパンツを履いた日に限って転倒し、膝の部分に穴を開けてしまうということも何度かあった。

まだまだオシャレしたい20代の私には、転倒することも、穴の開いたパンツを履くのも苦痛でしかなかった。

同じ通勤ルートを毎日歩いても、なぜか足が重くて、息切れもしてくる。
やはり何かおかしい。
また病院で診てもらう事にした。

職場には足に違和感を感じるので車通勤を許可してもらえないか相談した。
その時相談した担当者も私の異変に何となく気づいていたようで、あっさりと認めてくれた。

この頃は歩き方も特徴的になっていたし、歩く速度も遅くなっていたので、その姿を見れば何となく普通ではないことがわかったのだと思う。
でも車通勤にしてもらえて本当に助かった。

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