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92歳母の引っ越し①どうにかしなくちゃ!

気になること、あれこれ。

東京・杉並区の自宅でひとり暮らししている母の住み替え(リハウス?)を、なんとかしなくてはと、3年前くらいから考えはじめた。
理由はいくつかある。

  1. 90歳ごろから、足腰の衰えが顕著になってきた。歩行器を導入したけれど、一人で外歩きはムリ。病院通いにも、付き添いが必要になってきた。

  2. 自宅は一人住まいには広すぎる。2階に寝室、浴室、トイレがあり、1階にキッチンと居間、トイレ。階段の上り下りが大変そうだ。「運動になる」なんて言っているが、腰に負担もかかっているようだ。

  3. 家事がだんだんできなくなってきた。特に、大好きだった料理がほとんどできていない。リウマチの影響もあるが、料理って、結構複雑な思考を必要とするものだ。

  4. 買い物にはほとんど出かけず、生協の宅配などで済ませていたのだが、計画的に食料や日用品を購入することが難しくなってきた。
    チラシを見て、そのとき「欲しい」と思ったものをなんでも注文してしまう。家の中、特に冷蔵庫の中がカオスだ。

  5. 電気器具がつけっぱなしになっていたり、やかんが火にかけっぱなしになっていたり。検査をしたが、認知症ではなかった。でも、物忘れは多くなり複数の事柄を同時に覚えておけない。ワーキングメモリがうまく働かないようだ。


7年前に父が亡くなってから、私は母の雑用をあれこれ片付けるため、住まいのある那須から月イチくらいは実家に通っていた。
介護保険も利用しているので、週2回はヘルパーさんに来てもらっているけれど、それではカバーできない個人的な用事もある。上記のような塩梅で、月イチでは済まなくなってきた。

90歳でひとり暮らしの人って、そんなにはいないのかもしれない。心身の衰えが目立ってきたら、老人ホームなどに入居することを本人も考えたり、回りも勧めたりするのだろう。

私もなんとか、母の暮らしをコンパクトにまとめて、安全で快適に、安心して生活できるようにしたいと考え、住み替え先を探し始めた。

が、それはなかなか困難な仕事だった。

父の命日に、母の自宅で。

老人ホームかサ高住か。

こういう場合の選択肢として、よくあるのは「老人ホーム」と「サービス付き高齢者専用住宅」いわゆる「サ高住」。まずはネットで、情報収集をはじめた。


入居条件にはっきりした住み分けはないけれど、老人ホームは「要介護」が前提な場合が多く、介護が手厚いイメージ。介護事業者が運営していて、介護度が高くなっても十分なサービスが期待できる。

その反面居室面積が小さめで、ベッドとトイレ、洗面があるくらいで、病院の個室に近い。食事は食堂で3食食べ、入浴は共有のバスルームを順番に使う感じ。これは、全介助でも支障をきたさず生活できる反面、少しでも自力でできる(自力でやりたい) 人には窮屈かも。

母は「要介護」どころか「要支援1」なので入れないところが多い。「要支援」の場合は月々のサポート費のほかに高額な追加費用が課せられるところもあった。介護保険分の収益が見込めないためか?


「サ高住」については、介護寄りのところと住宅寄りのところがあり、内容に大きなばらつきがあった。

基本的には、サ高住は「安心見守り機能付きの、高齢者に生活しやすいバリアフリー設計住宅」という感じのもので、介護については入居者がそれぞれの状況に応じて介護事業者と契約するイメージ。

介護事業者が同じ建物内でサービスを提供しているところと、外部の事業者を探す必要があるところがある。食事は要望に応じて、建物内の食堂で提供されるところが多い。

居室は、基本的に住宅なので浴室・トイレ・キッチンが付く。豪華マンションみたいなものからコンパクトなワンルームまで、バラエティー豊か。費用はその家賃分のあたりが本当にピンキリで、普通に賃貸を探す感覚。


老人ホームもサ高住も、入居費や月々の必要経費の費目や計算方式が施設によってバラバラで、パッと見よくわからなくて比較しにくい。
ケースバイケースで、内容と費用を天秤にかけるしかなさそうだ。

今現在の母の状況では、サ高住のほうが受け入れられそうかな。
気に入りそうなところを、介護の提供状況と予算もにらみつつ決める感じか・・・と見当をつけ、自宅周辺でいくつかピックアップして資料請求してみた。

素敵なパンフレットが続々届いた。が、いや、高いなー!お家賃だけで20万は下らない。しかし、近場だから場所はわかったし、まずは気楽に、見学しに行くことにした。

コロナ禍で見学もままならず。

ところが、このタイミングで世はコロナ禍となり、老人施設ではクラスターが発生するなど、なかなか大変な状況になってきた。
私が生業とする飲食業界も相当なダメージを受けたが、介護関連の業界では直接人命に関わるため、その気苦労は計り知れない。

入居者の家族でさえ面会できないという状況で、外部の見学者などもってのほか。
というわけで、サ高住の見学はほぼ無期延期となってしまった。


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