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そもそも、なぜ私が染織をライフワークにしたいと思ったのか。

還暦というのは、やはりひとつの区切りであると思う。自分の人生を振り返り、原点に立ち返って、残りの人生をどう生きるか考える。ノートではそんな作業がしやすいように思い、書き始めることにしました。

不定期の投稿になりますが、お付き合いください。

話は40年くらい前にさかのぼる。

文学部史学科に在籍する学生だった私は、ある日サタジット・レイ監督の映画「大地のうた」を観て、いたく感動してしまった。

古いモノクロ映画だったが、そこに描かれたインドの農村風景があまりに美しくて、「こんなところに行ってみたい!」と、強く思い込んでしまった。

バイトして旅行費用を貯めてインドに行こう。

と思い、安い航空チケットを扱っている旅行代理店で働きながら情報を集めた。今みたいに、欲しい情報がネットでたちどころに手に入る時代じゃなかったのだ。

やがて専攻を選ぶことになったが、在籍する大学には日本史と西洋史しか専攻がなかった!インドのことが気になりすぎて、西洋史専攻の、しかもイギリス経済史が専門の教授のゼミに入ってしまった。無理やり「インドにおけるイギリスの植民地経営について」みたいな研究課題を提出して、そこに居座ったのだ。

当時の大学は、スキマが沢山ある感じだった。まだ大学紛争の名残がいたるところにあって、管理されていない空間や人だまりがあり、学生はかなり自由に活動できたと思う。今思えば、私はそんな人だまりで暮らしながら、インド旅行のイメージを固めていったのかもしれない。

そして21歳の春、インドに向かって旅立った。

結果的に1年休学することになったが、このインド旅行が何私の人生を大きく変えた。このインド旅行で、私は染織と出会ったのだ。





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