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社会との関わり

私は、在宅広告漫画家です。
メールで発注がきて、絵を描いて、銀行にお金が振り込まれる。
最後までオンラインで、非接触。電話すら滅多に無い。
多くが業務委託契約を結ぶ事務所とのやりとり。個人のイラストレーター仲間がいるわけでもなく、メールのやりとりも、仕事の話以外はしない、簡素なものばかり。

そして今は一人暮らし。家に家族すらいないので、朝から晩まで、毎日誰にも会わずに、誰とも話さずに、生活ができてしまう。
私はLINEもほとんどしない人で、ふだん誰かから
メッセージや電話がくることもない。
たまにSNSをするのが唯一、人とのコミュニケーションだ。

でも、これはかなり精神に異常をきたす。人間、会話する相手がないとどんどん具合が悪くなっていく。そういう私も長年のこうした生活で精神疾患になってしまった。

このままでは良くないな、と何か人と会話できる職業に就きたかった。そうして、占いの勉強をはじめて一年、デビューして半年。

オンラインチャットという形だけれど、お客さんといろんなお話をするのは、たとえ悩み相談だとしてもやりがいがあり楽しかった。そして最近、電車で2~30分の場所にある占い館から対面鑑定士のお誘いがかかった。

週1~でも通勤が可能で、待機ノルマ無し。
お話を伺ったところ、イラストとも両立できそう。
何より占い師として経験を積むのはリアルな現場が一番だ。
私はやってみたいと思った。

今はイラストの仕事が入ってくるから絵を描いているけど、これも大きなこだわりはなく、占い師の仕事が忙しくて楽しいなら占い師の仕事を増やしてもいいと思っている。楽しく働いて、生活していけるだけのお金が手にできれば細かなことはこだわりはない。せっかくやってきたことだから、どちらもできたら一番楽しいけれど。


最近、ミニマル関係でセミリタイアをしている人の記事をみていた。
そこから連鎖して、SNSでもセミリタイアをしている人がよく目に付いた。

セミリタイアのひとつ、月7万円ほどで生活をして、月10万円くらいだけミニマルに働く、というもの。無職の生活を経験した人は、退屈し、社会との関わりが欲しくなり、半年くらいで結局何かアルバイトをはじめるらしい。ウーバーイーツなども人気のようだ。

「今日は、働くか。」「今から、働くか。」と気分が乗った時だけ稼働して働ける仕事は、セミリタイアと相性がいい。

私もイラストの仕事は一日1~3時間なので、セミリタイアに近い。でも、それだけでは一人で退屈してくるので精神のデイケアにリハビリに出かけたり、訪問看護に来てもらって看護士さんとのおしゃべりを楽しんでいる。それで、社会との、人との関わりを、(無理矢理に)作っている。

居場所のない私は、人との会話を求めて病院に通っているけど、べつにそれ、病院じゃなくてもいいよね、と最近思えてきた。占い館の仕事も居場所を増やせそうだけれど、最近もう一つ居場所になりそうなところを見つけた。

引っ越した家の近所に、B型作業所をかねた日中一時支援の福祉施設があることを知ったのだ。

今、人恋しいときはバスで30分ほどかかる病院にリハビリに行っているけど、徒歩で行ける近さだし、こっちに通ってもいいんじゃないか?とHPをみて思い、電話をしたのであった。精神疾患がある人なら利用の対象だ。

そこは午前中は内職仕事をして、午後からはおしゃべり、お散歩、お菓子作りなど交流をメインとした活動支援をしているらしい。午後だけの利用、短時間での利用もできるらしい。なんとも、好きなときに顔を出して、のんびり過ごせそうである。

病院のリハビリは、バスの都合もあり基本8:30~16:30まで帰れない。これが仕事と両立していく中で最近難しくなってきている。でも、新しい居場所は短時間で家にも帰りやすい。いいと思った。

他所の日中一時支援を利用する場合、今通っている病院のリハビリの、登録解除などをしないといけないのか聞いたところ、両方通っている方もいるし、病院のリハビリは診察の日だけ利用するという人もいっぱいいるのでリハビリの登録はそのままにできるらしい。

来月10日に診察があるので、そのときに、近所の施設に通ってみたいと医師に相談してみようと思う。


曜日で、出かける場所を作ったり、いつでも好きなときに顔を出せる居場所ができると心強い。でも、世の中みんな仕事をしていて忙しい。平日から集まれる場所・・・年配ならまだしも、とくに、私のように30歳で、のんびりできる場所などほとんどない。習い事などは結構お金がかかる。結局の所、福祉関係の場所に行くか、仕事をするか。それが一番。

病気がもっと深刻で、起き上がることすらできない人。
生活費を稼ぐのが大変で、仕事を選んでいられない人。

私より大変な人はいっぱいいると思う。
でも、それをクリアした先も、結構大変なことを知ってほしい。

体調不良などなくても、お金の心配がなくても、何か、生き生きと、社会と関わっていく方法・居場所を作らない限り本当に心身ともに元気な生活には至らないのである。

逆に言えば、生き生きと社会と関われるようになれば、体調の問題も経済的な問題もいつの間にか解決してしまっている事が多いのだと思う。一番難しいことなのかもしれないけれど、自分なりにどうやって、どんなペースで社会と関わることが一番負担にならず快適かどうかを知って、それに向けて合うものを探していくことは大事な努力だと思う。

私は幸い、病気になったおかげで福祉施設は利用できるし、占いの技術を学んだおかげで占い館に出勤もできそうで……家にいるときはイラストを描くことができる。

どれも、やらなくてもいいことだ。
何もない毎日にも、すり替えられる。

でも、それでは元気が出ない。
家で一人で寝ているよりは、何か、社会と、関わっていたい。

福祉の施設で人とお話するのも。占いで人生相談にのることも。
自分で見つけた居場所と活動で、年末から少し楽しくなりそうだ。

サポートして頂くと夢山さん家のお花がちょっと豪華になります。