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自国礼賛番組にヘキエキしているのに、日本えらい!と思ったぜ

9月27日

14日間のオーバーランドツアーが終了。昨日、無事に帰船した。

最後の訪問地はカナリア諸島のグランカナリア島。最大都市はラスパルマス。地理的にはアフリカ(モロッコのお隣ぐらいの位置)だけど、スペイン領です。

んまあ〜空が綺麗なこと。
黄砂の影響がないので、北アフリカ〜南欧は空色の深みが違うんだよ、と誰かが言うとったな。

旧市街。正面の建物は、航海を重ねていたコロンブスが3回ほど立ち寄ったという古い教会。1892年に閉めたらしく、中には入れなかった
テロル村。グランカナリアの典型的な工法だという家。壁に埋め込んだ岩石が特徴的で、黄色っぽい岩は硫黄を多く含むんだとか
テロル村近くの高台から、ラスパルマスを見下ろす
テロル村。妙に神々しい感じの写真が撮れた
有名どころ、ラス・カンテラス・ビーチ


そしてこの島にも、どでかい教会が。

旧市街にある、サンタ・アナ大聖堂
中はこんな感じ
屋上テラスに出ると、街全体が見下ろせる。これは海側
大聖堂の屋上からの山側の眺め


14日間のオーバーランドツアーで訪ねたのは、以下の7都市。
・ケープタウン(南アフリカ)
・カイロ(エジプト)
・アテネ(ギリシャ)
・ローマ(イタリア)
・フィレンツェ(イタリア)
・ピサ(イタリア)
・ラスパルマス(スペイン)

カイロを除いて、全てキリスト教(カソリック)的文化、あるいはその影響が色濃く残る街なのだった。

大学がカトリック系だったので、キリスト教にはどことなく親近感を抱いている。先生方や同級生の利他的な考え方に触れて、奉仕や慈愛の精神に感銘を受けたりもした。

だけど。

バチカン・サンピエトロ寺院の度肝を抜かれる荘厳さ、絢爛豪華さを目にすると、これを造るためにどれほどの人々が駆り出されたのだろうと考えてしまう。

グランカナリア島でのんびり暮らしていた人々を、布教の名の下に、おそらく時に虐殺し、時に使役したであろうラスパルマスの過去を思ってしまう。

美術館には、聖書のエピソードやカトリックの歴史をモチーフにした絵がたくさんあったが、それらは往々にして残虐で、「信じない者」に対して苛烈なのだった。

人が幸せに生きるための宗教の名の下に、人を殺したり奴隷のように扱ったりすることが、私にはよく理解できない。
内外にその権威を知らしめようと、壮麗な建物を造ることにも、納得がいかない(そうしたことへの反発もあって、宗教改革でプロテスタントが誕生したようだけど)。

宗教のことを深く語れる知識はないのでわかったようなことは言えないが、なんだかね、傲慢さを感じてしまうの。

だから私には、木にも草にも風にもそこらの石にも神が宿るという自然崇拝、アニミズムが一番しっくりくるのではないか、と感じている。

日本ではその元締めが天皇家なので、そうなると私の宗教は「神道」なのかな……。天皇の名の下にアイヌ民族を征服したり、沖縄を傘下に納めたり、満洲国を設立したりということを思うと、それもちょっと違うんだよね。

誰かを教祖にすると、その威光を利用しようとする勢力が必ず現れる。どこにも教祖がいない、素朴な自然崇拝がよかよか♡と思うのであります。

それにしても。
訪ねた中で唯一、キリスト教的文化がベースにないカイロのユニークさよ。ホコリっぽくて荒っぽくてうるさくて、住みたいとは全く思わないけどね。
様相が他の都市と全く違うのは、ベースの宗教が違うからなのかしら?(エジプトは90%がイスラム教)

その意味では、日本もよくぞ独自の文化を保ってきたなと思うのだ。手放しの自国礼賛はどうかと思うんだが、ここ数日でワタクシ、日本えらい!と思いました。

だってさ、17世紀〜19世紀に、カトリックの人たちが何度も何度もやってきてるわけじゃないですか。それを時には少し受け入れ、時には厳しく禁じて、結果的にはうまいことノラクラしていた感じ。
そして江戸末期。価値観と権力構造の大転換の中、小さな島国を屈服させようとやってきたアメリカ&西欧カトリック諸国を相手に、独自・独立を貫き通したのは、改めて考えたらすごいことだなって。

日本えらい!
150年前の日本えらい!
今の日本人に、当時の人々のような知性と肝っ玉があるだろうか……。


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