夢洲土地契約差止請求の背景

「夢洲土地契約差止請求」では、2022年5月11日に大阪市に対して行った住民監査請求に関する様ざまな情報や、請求人の意見、専門家の論考などを不定期に掲載します。

夢洲土地契約差止請求は、大阪市が、カジノ事業者である大阪IR株式会社に夢洲の土地を貸す定期借地権設定契約締結の差し止めを求めるものです。これは、2月15日に締結された、大阪府と大阪IR株式会社との基本協定書内にある「土地課題対策費の負担」が、大阪市の財政に大きなダメージを与えるとともに、その債務負担そのものが法的に違反していること、積算根拠に信用性がないこと、また契約内容が事業者に有利となっていることなどが地方自治法や地方財政法、地方公営企業法などに違反しているとして、土地の賃貸契約を行わないよう差し止めを求めるものです。

現在大阪では、「カジノの是非は府民が決める 住民投票をもとめる署名」がおよそ21万筆を集め、条例制定請求の法定数を大幅に超え、この7月に条例制定請求を行う動きとなっています。住民投票をもとめる署名運動も「ストップ・夢洲カジノ!」をスローガンとしている通り、カジノ誘致という政策に関して府民への説明が十分でないことと共に、埋立地で、まだ埋立途中である夢洲に観光施設をつくり、観光客誘致を行うことそのものが問題となっています。

夢洲土地契約差止請求は、住民投票をもとめる署名運動と連携したものではありません。ですが、いずれも大阪府市行政、議会に対し、住民の意思表示を行うものであり、住民が求める行政と乖離した現在の大阪市、大阪府の抱える地域行政のあり方を問うものでもあります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?