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見覚えのある人

 盛岡生活も5ヶ月目を迎え、見覚えのある顔の人とすれ違ったり見かけることが多くなった。
 飲み会で一緒になった人だったり、イベントで近くの席に座っていた人だったり、行きつけのスタバの店長だったり、落ち着いた個人経営のカフェの店員さんだったり。

 僕は食べて歩いてばかりの人間なので、見かけるのも飲食店の人が多い。

 今日は行きつけのスタバで、3日前に行ったカフェの店員さんを見かけた。仄暗い空間に静かな音楽が流れる、カメラのシャッター音も憚れるようなカフェで働くその女性の店員さんは、狭い店内を背筋をピンと伸ばして歩く。そして注文を聞くときはとても素敵な笑顔を浮かべる。
 どんなに内装や音楽やメニューが素敵でも、そこで働いている人が魅力的でないと、その素敵さは半減してしまう。
 カフェでも結局一番大事なのは人である。接客というよりは人である。

 スタバで見かけたそのカフェの店員さんは、いつもとは違う親密な笑顔で知り合いらしき人のテーブルに向かう。その時の背中はいつもみたいにピンとは伸びていなくて柔らかな感じで、それがプライベートという感じがして、何か良い。
 そういえばそのカフェのインスタグラムのアカウントが、今日が年内最終営業日と報せていた。
 年内最後の仕事を終えた人はとても穏やかないい顔をしている。もう後はゆっくりと年が変わるのを待つだけ。

 時に、クリスマスを終えたスタバの落ち着き方は凄い。この前まで陽気なクリスマスソングがかかっていたというのに、クリスマスが明けた途端、都会的でシックな現代っぽい音楽が流れ出す。静かすぎて最初は音楽が何も流れていないのではないかと錯覚したほどだったけれど、席に座るとスピーカーから音楽が流れていることに気づいた。

 そして、クリスマスシーズンにあまりにも頑張り過ぎたせいなのか、エスプレッソマシーンが故障中で、注文できるのはドリップコーヒーかティーかフラペチーノだけだった。
 本当はラテを飲もうと思っていたけど、ティーにする。ジョイフルメドレーティーは品切で、ゼンクラウドウーロンティー。何か名前がかっちょいい。禅とクラウドの烏龍茶。どんなものかわからないけれど、名前が格好良いものを頼みがちなのである。


ゼンクラウドウーロンティー

 と、この文章は最近お気に入りのお店でディナーをしながら書いているのであるが、奥の方に座っている女性二人組の、ずっと背中を向けていた方の女性が、この前同じイベントに参加していて、つい先日も通りですれ違った女性だった。でも別に会話を交わした訳ではないので、向こうがこちらを認識しているかどうかはわからない。


ポンコツ珈琲


スパークリング


かぶと根菜のスープ








 キャプションに料理の名前でも入れたい所なのだけど、聞いたそばから忘れてしまうのです。でもみんな美味しかった。

 このお店も来るのは3回目。こうして知っている場所、知っている顔が増える毎に、住んでいる街はどんどん居心地がよくなっていく。

 盛岡、いい街だ。




 


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