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武田鉄矢に聴こえる

 【難病】鉄矢病
 【症状】何歌っても武田鉄矢に聴こえる
 【治療法】確立されておらず、時間経過による完治例が少数ではあるが報告されている。
 
 【症例】私がヴォーカルとしてメジャーデビューを目指していた後期に、この難病を患ってしまい、バンドは解散する。

 【後述】この病気の厄介な所は、本人に自覚がなく、発見が遅れること。
 私の場合は、メンバーから「全部同じに聴こえる」という指摘が発見に至るきっかけとなる。

 だが、体調はいたって良好。故に、バンドが解散した後も、自身が難病に侵されているとは思わず一人で歌い続け、病院にも行かなかった。

 ここで症状は悪化する。

 数年後、流行りの米津を歌おうが、夜に駆けるを歌おうが、本人が自覚出来るぐらいの武田鉄矢になる。
 そこで過去を振り返り、「全部同じに聴こえる」というメンバーからの指摘を思い出す。
 ようやく病院に駆け込むが、診断は鉄矢病。しかも悪性。治療も矯正も無理だと告げられる。

 【経過観察】カラオケで武田鉄矢と海援隊しか歌わなくなる。時折、スピッツの楓を歌う事もあるが、サビの「さよ~な~ら~」のとこで嗚咽がひどくなり最後まで歌えない。

 そして歌わなくなる。

 【現在】音楽を捨てて、絵や文章の創作を始める。
 【総括】私がnoteを五年間も休止していた理由はこれだ。
 鉄矢病の治療のために休んでいたのだ。
 だが、もう諦めるとしよう。
 医者の言うことは正しかった。
 鉄矢病は治らない。
 だから、私は二度と歌わない。
 
 ロックバンドが解散した理由が武田鉄矢だったとは。
 貴方にこの恐怖が伝わるだろうか?
 

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