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さよなら、大好きだった君たち。

昔、大好きだった人たちのことを、10年以上経っていても覚えてるのは、僕が依存しているからだろう。

辛いことも、嬉しいことも、全てをくれた君たち。

真冬でも自転車に乗って、いろんなところへ連れて行ってくれた。雪が降る中、待ち合わせ場所に走って迎えに来てくれた。真冬の夜を外で一緒に過ごしてくれた。

寒いのに、いろんなところに行った。いつでも君たちの後ろを歩いて、背中について行く。

冬はポケットにふたりで手を突っ込んで、無理矢理、暖かくしようとしてた。マフラーをくれたこともあった。

良い思い出もたくさんある。

君たちがくれたものは、今の僕を作っている。そう確信が持てるよ。だから、良い思い出もあると言える。

でも、今の僕はこれまでになかった生活をしてる。

毎日、パートナーの優しさを感じる。一緒に生きてるんだと思えるし、共同で生活できてると思う。

毎日、パートナーの愛を感じる。それは、たぶん、僕が欲しかったものだ。僕の溶けてなくなった穴を少しずつ埋めていくようなもの。

この人との生活が、今の僕には必要だし大事だ。

だから、もう手放そうと思うんだ。
忘れていくことを受け入れるよ。大好きだった君たちのことを、時の流れにまかせて忘れていくことにする。

忘れないように何度も繰り返し、思い出すこともやめる。凍結していた記憶を溶かして、そのまま水にして土に染み込ませる。

過去に執着するのを、今ならやめられると思う。

冬は終わった。
今年もさくらはパートナーと見たい。

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