日記|毎日あらの煮つけにしたろかな
10月26日
今日は嬉しい土曜日。
ほんとは金曜日がいちばん嬉しい。
朝、自分の寝言で目が覚めた。
最近よく喋っている。
(なんか喋ってんなー)って自分でなんとなくわかっている。
夢とうつつの境い目で、
(あ、声出とるなー)と思っている。
夏に娘が帰省していた時にも、
「おかあ、チョージャクの寝ごと言いよったで」と言われた。
「チョージャク?」
「長尺」らしい。
「マニュアルではこのようになっておりまして……こちらの方でお待ちいただけますすか? 云々かんぬん……」
仕事の夢だったのだろうか。
昼、ちょっと羽織るものを買いに出かける。自転車で。
急に涼しくなって、まぁそれでも毎日半袖なんだけど、来たるコンサートに備え、ちょっと羽織るものが要るだろうと思った。
帰りは夜になるし、さすがにちょっと羽織るものがないと寒いだろう。
とりあえずユニクロへ行ってみたが、めぼしいものがなかった。
赤っぽい、はっきりした色のちょっと羽織るものが欲しかったのだ。
ショッピングセンターの衣料売り場に行ってみた。
そこのは概ねザ•婦人服なので、ちょっといいものが揃ってる一画で物色した。
思ったものはなかったが、フードのついた真っ黒のアウターが目に留まり、
ちょっと羽織ってみたら、今日着てた白Tとジーンズによく合っていた。
何より軽い。
羽織って鏡を見ていたら、同じ職場の方に声をかけられる。
かなり年配のご婦人だ。
今月いっぱいで辞めるのだと言う。
シフト的に今月はもう会わなかっただろうから、ご挨拶できてよかった。
羽織ったままだったから、
「これ、どうですかね?」なんて聞いたりして、いいじゃないかと言われたから買うことにした。
帰ってほかの服とも合わせてみたが、
なんだか微妙だった。
特に手持ちのワンピースとは合わない。
オールマイティにちょっと羽織れるものにすればよかったかなぁ、なんて思った。とりあえず値札は取らずに置いてある。
夜ご飯は魚のあらの煮つけ。
と、いうのも、こないだからやたらに夫が、「美味しかった美味しかった」言うのだ。あらの煮つけが。
最近、魚はめちゃくちゃ高い。
お肉の方が安くつくくらいだが、すっかり肉より魚になった夫のために、あらを買うことが多くなった。
あらは鯛だったり、はまちだったり、かんぱちのそれだったりする。
「あらでいいんよ。こんなんでいいんよ」
毎回夫がそう言うので、
「いつもあるわけじゃないんよね」
と私も毎回言っている。
前回も、前々回の時も、
「美味しかった美味しかった」
「こんなんでいいんよ」と
同じことを言うので、(繰り返すなぁ)と思いつつも、せっかく美味しいと言ってくれてるので、元気よく
「ありがとう!」と言っておいた。
今日は鯛とかんぱちの混合煮だった。
あれ? はまちだったかな?
日本シリーズを見ながら、酒のあてにあらの煮つけを食べている。
「美味しかった美味しかった」
「あらでいいんよ。こんなんでいいんよ」
……
もうええわっ!
何遍言うんっ!
ありがとうっ!
もう毎日あらの煮つけにしたろかな。
猫も匂いを嗅ぎに来た。