高２の頃に声優オーディションを受けた話

私は小さい頃から本を口に出して読むのが好きでした。
自己流で演技をしながらなので、恥ずかしいので誰もいない時限定ですが。
（もしかしたら家族に聞かれていたかもしれませんが）

そのことは誰にも言ってないし声優になりたいとも誰にも言っていないのですが、高１の頃に仲良くしてくれた子が高２の時に一緒に声優のオーディションを受けてみないかと言って何人かで履歴書を送ることになりました。

アニメ雑誌に載っていた声優オーディションの募集記事で、札幌で開催されるオーディションでした。
オーディションを受けるのは怖いし自分に自信が無いしで、あまり興味がないふりをしていたけど内心受からないかな、受かったら一人暮らしして父から離れて暮らしたり父以外の家族を養えるなと考えてたりしていました。

言い出した子の家でみんなで集まってマンガのセリフを読み合わせしたりしました。

結果が送られてきて「書類審査合格したのでここにきてください」という文章が書いてありました。
みんな受かるやつだったのかなと学校に行ったら言い出した子は受かってなくて、もう一人の付き合いで一緒に受けた子が受かっていて「一番受かりたかった子が落ちたからどうしようか、行くのやめようか」と言われました。

確かに当時人がすごく怖いから行くこと自体怖かったし、言い出した子にも悪いなと思いました。
でもなんだかんだどうしようどうしようとしてて結局二人で待ち合わせして行くことになりました。

会場のビルはすごい大勢の人で、エレベーターもぎゅうぎゅうでつぶれそうでした。
その時点でもう帰りたいと思いました。

みんな降りるとこが同じだったので流れるように受付に向かって、名前を言ったら聞き返されて困っている風だったので（え、もしかして本当は受かってなかった？）と怖くなって震えていたら受付が終わりました。

順番に面接みたいのを受ける為に待つ場所に向かったらすごい広いホールで、前の方にマイクがある台もありました。
順番に席に座って待っていると一枚の紙を渡されました。
確か一枚の紙いっぱいに文章が書いてあったと記憶しています。

周りの同じように座ってる人達が紙の文章をじっと見たりぶつぶつ言ってたりするので、これを審査員の前で読むんだ！とわかって私も緊張しながらも頭にまったく入らないけど何回も目だけで読みました。
しばらくして受付が大体終わったような頃に、何人か順番に名前を呼ばれて前に横一列に並び、入ってきた扉じゃないとこから最初に呼ばれた人から並んで廊下に出て行きました。

それを繰り返して私もその出番になりました。
並んで廊下みたいなとこに審査員みたいな面接官みたいな人が3、４人いるところに来て１０人くらいで横一列に並びました。

前の子から順番に名前を呼ばれてから色々聞かれ、紙の文章を読んでくださいと言われ、読んでる途中それぞれ違う場所で「そこまで」と言われて次の子になりました。

全部読めた子が合格なのかな…とドキドキしていたら私の名前が呼ばれました。

「はい！」と言ったら、隣の子も一緒に返事をしました。
え！っと思っていると私の前の子の面接？がはじまりました。
同姓同名でした。
慌てながらも（だから受付の時に！）と思いました。

私と同じくらいの女の子だけど、私とまったく違って当時は珍しく髪の色も綺麗な色に染めてて（何色かわからないけど金髪とか茶髪とかではなかった）ハキハキした感じの子でした。
まったく話したりはしなかったけど後で帰ってから同姓同名というだけで勝手に親近感が湧いたり運命を感じたりそこからはじまる物語を想像したりしました。

ちなみに私の番はあたふたしてた気がします。
勿論そこで落ちました。もう一人の子も落ちていました。
不合格の子もその後のオーディション見て行っていいですよと言われましたが、帰ることにしました。

次の審査で、座って待ってたとこにあったマイクのあった台でオーディションがはじまっていたのがちらっと見えた気がします。

後々アニメ雑誌に合格者が乗ってて、声優学校に通う大学生くらいのお姉さんが合格したみたいでした。

当時のこと30年くらい前のことなので覚えてないことも多いですが、面白い体験だったので書いた部分はずっと覚えています。

こういうオーディションのこと書くのよくないのかわからないですが30年くらい前のことなので大丈夫ですよね。
今はこういう感じのオーディションじゃないと思うので。
今の時代は声優学校や専門学校に行ってない人が何かの役とかじゃないオーディションとか、そうそう無いのかなと思います。

会場に行くまでは、私なんかが受かったし怪しいオーディションなんじゃないかとも思ったりしましたが、受けてた人数が尋常じゃなかったのとか、面接の人の中に当時も有名な声優さんもいたのでちゃんとしたとこだったんだろうなとは思います。

この書類審査が受かって１次？２次？オーディションを経験したのもあって「声のお仕事やってみたい！」って気持ちが今でもそうそうに消えないのかもしれないです。

行動力が無いので未だに何もなってないですが。

ここまで読んでくださった方ありがとうございました。
よかったらまた読んでくれたりハートしてくだされば有難いです。