小さい頃の記憶

私の小さい頃の記憶は結構ある、普通の人達がどのくらい持っているのかわからないのでもしかしたら普通の数なのかもしれないが。

当時書き記していたとかいうのではないのでもしかしたら私の記憶違いの可能性も低くはない。

ただずっと今でも覚えている記憶だ。


夜になると毎晩父はお酒を飲んで酔っ払い、夜が深まると家族を大声で罵倒した。

当時元気だったおばあちゃんと言い争いになっていた。

「ここは親父が俺に建ててくれた家だ!文句があるなら今すぐ出ていけ!!」

大声で実の母であるおばあちゃんに怒鳴るのだ。

お笑い番組を見せられていたり寝かせられていた私と姉は多分標的にはならなかったが、お笑い番組を真顔で見ていたり布団をかぶって早く寝るように頑張っていたのだった。


まだ幼稚園にも入っていない頃だろうか。

外でタバコを吸っていた父の横に立っていた私はタバコをじっと見ていたらしい。

父は「吸ってみるか?」と私にタバコを咥えさせた。

嫌がったのか喜んで吸ったのかはまったく覚えていないが、吸った途端ケムリでひどく咳き込んだ。

大笑いしている父を未だに辛い思い出として覚えている。

私はものすごく苦しいのに心底面白いように笑っているのだ。


もっと小さい頃、私と同じ年くらいの男の子が私の家で一緒に遊んでいた。

父の部屋にも走り回って行ったのだが、裸の女の人のポスターや雑誌がいっぱいあって、男の子は「うわー」といけないものを見るように笑っていた。

私は普通のことだったので何かまったくわかっていなかったが何だかすごくバカにされている気持ちになった思い出だった。

私の父は昔からゲームやアニメが好きでエロ本とかもよく部屋につんであった。

それらは私達も普通に触れるので小さい頃の私はマンガやゲームだと見たり遊んだりしていた。

昨今エロ本がコンビニから無くなったり、ちょっとエロい体系や表情の女の子が批判されて激怒しているエロいもの好きのオタク男性を良く見かける。

なるべく触れないようにしているが、その頃の記憶がある私は正直気持ちの悪い生き物として感じることが多い。

自分の好みのことだけ考え怒り、成長しきっていない子供や成長途中の子供にも触れさせる行為は良いことなのか悪いことなのか?

確かに過度な規制は私もどうかと思うが。


小さい頃の私は生意気で偉そうで盛り上げ役だったと記憶している。

クソガキというやつだ。

なのできっと何かしでかしたのだろう。

父が顔を間近に寄せて「俺はな、暴力は絶対しないんだ。捕まりたくないからな」と言われた。

確かにいまだに身体的暴力は振るわれたことはない。

精神は酷く痛めつけられてきたが。


小学校1年の頃、学校で「自分の名前の由来」というテーマの作文の宿題があった。

母に聞いたら「姉はおじいちゃんがつけたけど、あんたはお父さんがつけたからお父さんに聞いてみたら」と言っていたので父に聞きに行った。

丁度酒を飲んでるところだった。

「名前の意味なんてねーよ、適当につけたんだ」と言われた。

「でも作文に書かなきゃいけないから」

「適当につけたんだから適当って書いとけばいいだろ」と怒鳴られて怖いのとみんなに笑われると思って辛い気持ちのまま「適当につけた」と書いた。

その頃から自分の本名はずっと好きじゃなかった。

誰かに良い名前だねと言われてもよくわからなくてどう返していいのかわからなかった。

20代後半くらいまでは父はすごい人だと信じてなるべく愛されるように努力をしていたので、もしかしたら意味があるけど教えてくれないだけではと思ったりしたのだが、後々ある物に名前をつけていた時に母が「子供につけたい名前があれらしいよ」と聞いてまったく違う名前に絶望した。

元々女の子じゃなく男の子が欲しかったと小さい頃の私にもずっと言ってたから、一人目はともかく二人目は男の子だと思っていたら女の子でがっかりしてどうでもいい名前をつけたんだろうとその時に理解した。


ずっと覚えているのはこれくらいかな。

長く知ってくれている人だと何回か聞いた話だと思います。

小さい頃からずっと、大声で怒鳴って家族を罵倒し否定する声がずっと聞こえる夜は地獄でした。

今でも夜や暗い場所が怖いのはそのせいなのかもしれません。

父が結婚したのは20歳、それ以上の年齢になって最近のニュースでも若い父親が虐待しているのを見たりするとなんとなく納得する自分がいます。

しかもオタクで内弁慶の世間体を気にする人ですから。

家族に八つ当たりしないとやっていけない性分なのでしょう。

される側の家族からすると仕方ないとは言いたくはないのですが。


ここまで読んでくださった方有難うございました。

前回のもハートをつけてくれた方がいて嬉しかったです。

今回のような過去の暗い話を書こうか、病院さんのおかげで少しずつ変われた話を書こうか、一人暮らしをして幸せがやってきた話を書こうか悩むところです。

時々まったく違うジャンルの話も書く可能性もあるかもですが。

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