居酒屋のお通しについて思う

外出して日が暮れ始めると心がソワソワ。さあ、どの店に行こう。一日の最も楽しい瞬間です。

そのお店なのですが、この頃は、基本的にお通しのない店に通うようになりました。お通しは、どこでもあるのが当たり前だと思っていたのですが、あちこち訪ねるようになってからチラホラとない店があることを発見しました。もしかしてこの頃はそういう店が増えているかも知れません。

以前、はしごをしてもこの頃は4000円と書きましたが、これはお通しのないことによって実現しているのです。

お通しは人によっては苦手なものが出たりすることもあって、私は血糖値や塩分の関係で食べないようにしているものもあるので、実はお通しには苦手なものが多いのです。生はダメなので生風味もダメ。塩辛なども苦手です。全然手を付けないと悪いのでちょっとは頂くのですが、実は苦痛です。

元々人には好き嫌いがあるものなので大体が万人に食べられるようなものを丁寧な盛り合わせで工夫して出してくれているならあっても良いのですが、事実上お通しは席料なので適当なもので良いと割り切っている店もあるようです。客の自由とは無関係にいきなり集金できる理屈ですからね。

でもね、料理皿というよりは、殆ど絵の具を溶くような無粋な小皿にいつから煮込んであるのかわからぬようなくず肉がほんの僅か乗っていてそれで400円以上のところもありますから、どうせ出すならもう少し何とかならないかと思います。私が過去に馴染んだ店にも実はそうしたことがありまして、目を瞑ってはいましたが、徐々に他の居酒屋さんを開拓してからは遠ざかりました。

そう言うこともあっていつの間にかお通しのない店に通うようになりました。例外的な二軒を除いてはもう他の店には通わなくなりました。例外的な二軒というのは、お通しに出るものがだいたい決まっていて食べられないものが出る心配がないのと、全体的にそれを含めても安いということです。早く言えばやっつけのお通しが出る心配がないのです。

これが普通になると、充分に楽しんでも一軒二千円行かない。食べ物も充分に美味しくて、店が落ち着いていて、私は前述の如くホッピー飲みですが、外だけのお代わりでは二千円を超えないこともある。結構食べ過ぎたと思った時でも三千円に届かない。お通しがないうえにそもそもが安いのです。

なので、店はあちこち入ってみるものだなと思うのですね。お店の人に酒をねだられて渋々なんてことはもうあり得ません。客はその時は機嫌よく見えても必ずそう言う店からは遠ざかります。

ところで最近になってまた一軒通えそうな店を発見しました。お通しはあるのですが、全体的に安い。お店が気楽な雰囲気で居心地が良い。女将はどこにでも居る感じのその辺のおばさん。昼間は看板もないので、外から眺めると営業している雰囲気にないのですが、お喋りが楽しい店でした。勿論チョイ飲みでも遠慮がない感じ。

通えそうな新たな店ができるのはとてもスリリングで楽しいです。これだから居酒屋通いは止められません。