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真夜中に呟く夢の貝殻

途方もなくなく夜に溶けてゆく 波の音が何処からかする山に棲む私 祭り太鼓の音までする山に棲む私 「夏はまだか夏はまだか」 歳を取った私の最後の言葉 不意に切なくなるから恋は嫌なんです 郷愁はポケットから堕ちた寂びたナイフ 旅人は冬の風をコートに隠して そっとアイスキャンデーを其処に突っ込んだ 隣の家の塀に置かれた林檎には 地獄行きと書いてありました 原罪でしょうか お葬式のあった家の前は息を止めて歩く習わし 死んだ人が取り憑くからね 友達同士でそうやって秘密の約束を交わした夏

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