ゆめめ

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ゆめめの書棚 https://spoon.onelink.me/Uuzo/7cd98d4e Spoonにアップした音声の小説を載せていきます。

最近の記事

夜叉葉君彦の診療録①-3

喜条が目を覚ますと、夜叉葉が寝ていた布団はもぬけの殻だった。 井戸の場所も教えていないのに、どこへ行ったのだろう。喜条は不思議に思い寝室を出た。 台所では、ユリ子が家事をしている。 「おはようございます、あなた」 「あぁ、夜叉葉先生はどこへ」 外では、かこーんかこーんと音が鳴っている。薪割りの音だ。 「先生、朝から薪を割ってくださってるんですよ」 「なんだってぇ、今から大仕事だっていうのに」 「ゆっくりなさってと申し上げたんですけど、お聞きにならないんですよ」 喜条は、

    • 夜叉葉君彦の診療録 第一巻②

      #Spoon ゆめめの書棚 https://spoon.onelink.me/Uuzo/7cd98d4e ↑こちらから聴けます ___________.____________.____________.________ 喜条の家で風呂を浴び、身なりを適当に整えると患者たちが集められた小屋へ向かった。 「施術したばかりなのに、呼び出してしまってすまない。ここに集められた君たちは、同じ症状を持つ者だ。これから皆の過去1年の生活や衛生面について、聴取させてもらう」 夜叉

      • 夜叉葉君彦の診療録・第一巻①

        #Spoon ゆめめの書棚 https://spoon.onelink.me/Uuzo/7cd98d4e ↑こちらから聴けます ___________.____________.____________.________ 白い蚕が翔んでいたので、咄嗟に両手を出して捕らえた。捕獲に成功した夜叉葉の腕は、手の中で蠢く羽の感触とそれを素手で捕った感動に鳥肌を立てている。 いつもならば、蛾が目の前を翔んでいても素手でとってやろうなどとは思いもつかない。 夜叉葉君彦(やしゃ

      夜叉葉君彦の診療録①-3