相撲探偵
「大魔力をビルの屋上から押し出した犯人は、この中に居ます。」
私、天魔灘は集まった人達にはっきりとそういった。ここに居るのは呼び出し行事親方等の相撲の関係者ばかり。現役の力士は私を除き幕下であろうと一人も居ない。
「じゅ、十両風情が、何を言っているんだ!」
竜巻親方が物言いを付ける。当然だ。大魔力は目方300kgを超える巨漢力士。さらに得意は突き押し。例え幕内力士が不意を付いたとしてもビルの屋上から押し出しを決めるなど、不可能。
しかし私は両手を地面につく。ある人物を真っ直ぐに見据えて。はっけよい。その人物は目を見張り、観念したように立合に応じる。
「のこった!!」
私は一直線に犯人の胸に飛び込んだ。
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