相撲・エンディング・ストーリー

本に引き込まれたバスチ山が目覚めたのは無限に広がる土俵の上だった。バスチ山は興奮した。無限に広がる土俵!永遠に続く押し出し!まさに全ての突き押し力士の夢だ!

そしてバスチ山は飽きることなく日暮れまで四股を踏んだ。夜になると満天の星空が空に出て土俵に寝転んだバスチ山を包み込んだ。そこでバスチ山は思った。一人では相撲は出来ない。いや、広すぎる土俵では決着がつかない。

『えびすごころの親方』は、このリョーウゴクギカンに僕の望む全てがあると言った。だから場所も取組も思いの儘の筈だ。そう思ってバスチ山は、その日は眠りについた。

「ごっつぁん!ごっつぁん!」

バスチ山は誰かのてっぽうの音で目を覚ました。そして驚いた。目は見張るような巨漢の力士が大木に向かっててっぽうをしていたのだ!


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