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「GET UP! GET LIVE!」(ゲラゲラ)、1stリーディングliveからその全貌を読み解く

※2019年5月25日のブログ記事より。

「ゲラゲラ」こと「GET UP! GET LIVE!」。
“声優“と”お笑い”という、筆者がこよなく愛する2つが掛け合わさった神コンテンツが始まった。
2019年5月18日(土)に開催された「GET UP! GET LIVE! 1stリーディングlive」でようやくその全貌が見えてきたので、早速筆をしたためる。

「GET UP! GET LIVE!」とは?

「GET UP! GET LIVE!」とは、芸人の役を演じる声優陣が、実際のイベントで漫才やコントを交えたリーディングライブに挑戦するプロジェクトだ。
公式の文言は“声優×二次元芸人プロジェクト”となっている。

特筆すべきは、「1stリーディングlive」が一発目の展開だということだ。
アニメはもちろんのこと、ゲーム、コミックなどはまだ販売されておらず、参考になるのはTwitterに上げられたいくつかの動画のみ。
しかも動画は各コンビの漫才・コントネタのみであり、ストーリーやキャラクターの関係性は明かされていなかった。

ベールに包まれたまま開催された「1stリーディングlive」。
しかしキャラクターデザインのかっこよさ、企画・制作陣の安定さ、そして何よりキャスト陣の豪華さもあって、昼夜両公演は完売であった。
※そもそも筆者は、昼の部を申し込み続けたのに全落してしまい、夜の部のみの参加である。

リーディングライブで初めて明かされるストーリー

芸人養成所・SSSに所属する3組の若手芸人が、互いに切磋琢磨しながら成長していく姿が描かれている。
「1stリーディングlive」で披露されたネタは、各コンビごとに2本ずつ。授業でのネタ見せ(1本目)と、定期ライブ(2本目)である。定期ライブには人気テレビ番組のプロデューサーが来るとのことで、3組とも気合いが入る。

なおSSSの語源であろう吉本興業の養成所・NSCは「ニュー スター クリエーション」の略(らしい)。SSSは何の略か、ちょっと気になるところだ。

各コンビについて

①スターダスト

最も若い18歳のコンビ。芸種は漫才・コント両方。
元々は上原が作ったコントを披露していたが、東沢が作ってきたネタを機に漫才にも挑戦するように。練習場所は公園。
「1stリーディングlive」夜の部では、花江さん・西山さん双方が台本無しで1本目のコントを披露。しかし残念ながら優勝はできず。

■上原淳也: 花江夏樹
ツッコミ担当。東沢とは幼なじみで、行き届いた介護並みによく面倒を見ている。意外なことに、SSSに入るのは東沢に誘われる形だった。
ハキハキとした正当なツッコミをする。ツッコミ方がときどき霜降り明星の粗品に似ているような気もするが、演じる花江さんの好きな芸人は三四郎とハライチと西山宏太朗。

■東沢楓: 西山宏太朗
ボケ担当。日常生活ではどこまでもネガティブで、宮下草薙に通じる部分がある。「スターダストのダストです」のように、持ち前のネガティブさをネタに活かすこともある。
舞台上ではスイッチが入るタイプのよう。ネタの随所に西山さんならではの可愛らしさが垣間見られる。

②菊一文字

芸種は漫才。
本格的な玄人ウケ漫才と評されている。3組の中で唯一の成人済みコンビで、日常シーンとして居酒屋でもらいタバコをする姿なども描かれる。
「1stリーディングlive」昼の部の客席投票で優勝した。

■町田瀬那: 豊永利行
ツッコミ担当。優しいお兄ちゃんキャラ。後輩のスターダストにも、思いやりのあるアドバイスをする。
現在人気の高いキャラで、物販でアクリルスタンドが最初に完売した。
漫才の冒頭では必ずマイクを低く調整するが、キャラ設定は173cmでありそこまで低くはない。穏やかなツッコミが、和牛の川西さんを彷彿とさせる。締めの言葉は「もういいよ」。

■大野虎之助: 石川界人
ボケ担当。考え抜かれた言葉表現が随所で際立つが、実際の漫才シーンでは石川さんならではの“大きな声を出せば面白い”的な力業も組み合わさっている。
ひょっこりはん、流れ星などの実在する芸人をネタに入れてくることがあり、特に流れ星ちゅうえいさんの物真似は必要以上に似ている。

③6 -シックス-

芸種はコント。ネタ作成者は喜多見。
動画や衣装、そしてコントの世界観をしっかり作り込んでくるコンビであり、何となく陣内智則やモンスターエンジンを思い浮かべる。
「1stリーディングlive」夜の部の客席投票で優勝した。

■喜多見蓮: 阿座上洋平
ツッコミ担当。ネタによってはボケにも回る。メガネである(阿座上さんも)。
とことん真面目な性格。大野からの「媚びきれていない」という指摘を、その場では否定しながらも本音では気にしている。そのためか2本目のネタは、1本目と比較するとなかなかポップな役柄を演じている。
いずれにせよ、努力型の芸人である。

■狛江一馬: 熊谷健太郎
ボケ担当。常にニコニコしている(熊谷さんも)。
他人の言うことにはだいたい同意するYESマンだが、場の空気をおもんばかっての発言も多い。また大野の指摘を気にしすぎている喜多見に冷静にアドバイスをしたりと、“いい奴”である。
バカっぽいボケが多く、熊谷さんの素の性格と妙に馴染んでいる。

現場で感じる「ゲラゲラ」の魅力

1. トラブルにも柔軟に対応できるキャスト陣、天津・向さんのトーク力!

「ゲラゲラ」の企画を担当している天津・向さんは言わずもがな、キャスト陣もテレビやラジオでトーク力に定評のあるメンツが揃っているのが、「ゲラゲラ」の最大の魅力だ。
筆者の参加した「1stリーディングlive」夜の部では、演者6人中2人(西山さん、豊永さん)のマイクの音声が入らなくなるというまさかのトラブルが起こった。
だが豊永さんが「声が全然出ていない」とアドリブのセリフを入れたり、花江さんのマイクに声を入れようとした西山さんが花江さんに抱きついたり、さらには天津・向さんの前説ならぬ“中説”があったりと、客の立場からするとむしろ「ボーナスタイムをありがとう」といった感覚だった。

2. アニメや声優の小ネタを多く取り入れている!

通常のお笑いライブと比較して、アニメや声優の小ネタを多く取り入れてくれているのが嬉しいポイント。
6 -シックス-の2本目のコントはかなりマニアックなオタクを題材にしており、「ゲラゲラ」の客層だからこそ爆笑が起こるネタだった。
他にも、ストーリー内で「油淋鶏 回鍋肉 棒棒鶏」という「WORKING!!」の神谷浩史さんを思い起こさせるセリフが出てきたり、スターダストの漫才では西山さんがアドリブで「ドラマCD」を登場させたりと、声優が演じているならではの笑いが入り交じっている。
声優とお笑いが両方好きな人にとって、間違いなく最高最強のコンテンツだ。

まだまだ始まったばかりの「ゲラゲラ」だが、1stリーディングライブの盛況を受け、早くも2020年2月に東京・大阪で2ndリーディングライブを開催することが発表された。さらにはドラマCDの発売や「小説家になろう」とのコラボなども控えている。
今後ますます盛り上がっていくであろう「ゲラゲラ」から、目が離せない。



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