見出し画像

しーちゃんとカマキリ


7月16日。あまりの暑さに、今年で4回目のプール開きをしました。
あーちゃんが汗だくになりながら、ベランダにビニールプールを設置しています。
しーちゃんの成長に合わせて去年、大きなプールに買い替えたので、出すのも片付けるのも大変です。

「あーちゃん、できたぁ~?」

「まだですよ~。これから水を入れるからねぇ」

「あーちゃん、もう入れる?」

「あと少しかな~」

「あーちゃん、できたぁ~?」

「できたよ。水着に着替えようか」

「うん!」

そんなやり取りをして、しーちゃんはプールへ!
気持ち良さそうに、プールではしゃぐしーちゃんの姿を見ると、あーちゃんの汗も吹き飛びました。
17日が休日だったので、プールの水は抜かずに、明日そのまま使うことにしました。

翌日の朝、あーちゃんがすずらんに水やりをしていると、少し離れたところに大きなカマキリがいました。
あーちゃんはびくっ!と驚いた後、その場をそっと離れ、しーちゃんを呼びに行きました。

「しーちゃん!しーちゃん!来て!来て!カマキリがいるよ!」

「ええー‼みたい!みたい!」

あーちゃんはしーちゃんを抱っこして外に出ました。
カマキリが動かずにいるので、しーちゃんが偽物ではないかと疑い始めました。

「ぜんぜんうごかないね。いきてるのかな?」

「本物だよ」

そう言いながら、あーちゃんは片足で地面を軽く踏み鳴らしました。
するとカマキリは、バサバサバサと二階のベランダまで飛んで行きました。

「すごい!とんだよ!」

「うん。高く飛んだね~」

それから家の中に入ると、しーちゃんがママに報告しました。

「ママ、おおきなカマキリがいたよ!」

「カマキリは気をつけないと、たくさん卵を産んで、孵化したら大量のカマキリが発生するよ!」

ふかってなに?」

「カマキリの赤ちゃんがたくさん生まれるってことだよ」

しーちゃんは血相を変え、階段を上がり、二階のベランダに向かいました。

「あーちゃん、はやく!はやくきて!カマキリがプールにたまごをうんじゃうよ~!」

「カマキリ、あそこにいるね」

サッサッ!
あーちゃんが手で払う真似をすると、カマキリは、となりの屋根に飛んで行きました。

「あっ、にげた!」

「これでもう安心だね!」

「うん!あーちゃん、ありがとう。プールに入っていい?」

「じゃあ、水着に着替えてね」

住宅などで、カマキリの卵が孵化したら大変なことになるけれど、有り得るのかな?
それにしても、ママはしーちゃんをからかい過ぎるのではないかしら?
あーちゃんは、そっちのほうが気になったのでした。


つづく










この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?