今年よく聞いたアルバムとバンド5選

①Sidney Gish 「No Dogs Allowed」

雑誌か何かでSuperorganismのoronoさんが紹介していて聞き始めました。アメリカのシンガーソングライターです。
特に聞いたのは、「No Dogs Allowed」というアルバム。この人の曲はどれもシンプルで聞きやすい。アルバムからどれか一曲選べと言われても、選べないくらい良い曲が多かった印象。あとアルバムのジャケットが素敵。
歌詞は正直読んでもよくわからない。曲名も良くわからない。I Eat Salads Nowってどういうニュアンスなんだよって感じ。英語勉強してるけど全然わからない。悲しいので、誰か歌詞の全曲解説して欲しいです。正確な意味が掴めてないので。

②Base Ball Bear 「C3」

今年「C3」というアルバムをリリース。もうこのバンドは10年以上ずっと聞いているので、新しいアルバムが出れば上位になるのは当たり前なんですよね。このご時世だからこそ、「風来」という曲が最後に来るのが本当にいい。Spotifyの集計によると僕が今年一番聞いたアーティストで、「風来」が一番多く聞いた曲でした。「風来」は本当にギターロックの王道って感じの曲で、ライブに行きたい気持ちにさせてくれます。
EIGHT BEAT詩だけは歴史を知っている人しか楽しめないかもしれませんが、他の曲は初見の人も楽しめるのではないでしょうか。「Flame」とか「Cross Words」とか。「Flame」は誕生日ソングなのに暗いので是非聞いて欲しいです。
このアルバムに限らず、歌詞が良いので本当にもっとたくさんの人に聞いて欲しいバンド。冴えない人なら1曲は共感できたり、寄り添ってくれる曲があるんじゃないでしょうか。「新呼吸」ってアルバムの「新呼吸」って曲とか今でも悩みがあると聞き続けてますね。もちろん他の曲も聞くけど。
もうこの人たちの音楽は自分の日常に溶け込みすぎて、新しいアルバムへの感動云々とかよりも、聞くことが人生の一部みたいな状態になっている。多分今後もずっと聞いていくのでしょう。「風来」の歌詞の中に白い飯という単語が出てきますが、僕にとっては白米みたいなバンドになっています。
もっと多くの人に聞いて欲しい、切実に。

③Sobs 「Telltale Sings」

シンガポール発のUncool pop musicなバンド。Uncoolなんて言うけど正直めちゃくちゃかっこいい。かっこいいというより、キラキラしているのかも。これがドリーミーということか。
このバンドは「Telltale Signs」というアルバムを良く聞きました。気に入った曲はTelltale SingsとAll Poison。いやでも、Party Songも好きだし、このアルバムも1曲選べと言われても選べない。
英語の勉強をしていて、小説を多読する時にいつも聞いていたのでその思い出が強いですね。音楽が心地良すぎて、うつらうつらしてしまうこともしばしばでした。
こういうタイプのバンドのライブは行ったことがないので行ってみたい。というかシンガポールに住んでみたくなった。

④Beach Bunny 「Honeymoon」

なんで聞き始めた覚えてないけど、Spotifyで何かのバンドの曲を聞いていてレコメンドされたので聞いたらハマった。「Honeymoon」ってアルバムのCloud 9って曲がすごい好き。PVもなんか愛らしい。
アルバムは全体的にギターがかき鳴らされていて気持ち良い。あと歌詞がSidney Gishに比べると読みやすい。
技術的なこととかトレンドって全く分からないけど、これがギターロックの王道なのでしょうか。多分、こういうギタージャカジャカな感じのバンドって日本のバンドでは今流行ってないので、一周回って新鮮なのかもしれないな。
それにしても音楽の知識がないので、同じような言葉ばかり使ってしまう。頭の悪い感想だ。

⑤For Tracy Hyde どのアルバムもいい

このバンドはSobsのインタビューで言及されていて聞いてみました。11月中旬くらいから聞き始めたのかな。でも今年一番の衝撃だった。今まで聞いたことがなかったのはもったいなかったな。
まず歌詞。具体と言うよりも抽象性に富んだ歌詞ですごくいいです。
良い歌詞の定義って難しいけど、「その人なりの言葉かどうか」ってことと、「余白感」の2点が大切だと思っています。
前者は例えば、何かを好きだという内容の歌詞があったとしても、それを曲の中で好きと言う言葉でそのまま表現されても面白くない。だからその感情を自分の知らない表現や言い回しで表して欲しいという話です。(スピッツの名前をつけてやるとかが最高の例。)
後者の余白感っていうのは、いかに想像力を刺激してもらえるかという話になるのかな。自分に思いつかないような表現を使ってくれというのはここにも結びついてきて、思いつかないことだからこれはこういうことかなと想像するしかないんですよね。それでその想像した時に、なんとなく輪郭は分かること。これが所謂、歌詞に奥行きがあるとか、立体感があるということなのだと僕は解釈しています。簡単に言えば、この歌詞のこのフレーズはこういうシチュエーションを表してるのかな、それともこういうシチュエーションなのかな、みたいな気持ちにさせてくれること。そういう曲を聞いていると、この歌詞はこういうことだったのか、と日常の中で気付くことがあって、それが音楽を聞いていて素敵な瞬間なのだと思います。
そういう意味ではFor Tracy Hydeの歌詞はそういうタイプの歌詞だと思う。まだまだ聞き込みが足りないので偉そうなことは言えないけど。
話が脱線しすぎたけど、このバンドからはスーパーカーの遺伝子を感じるんですよね。僕は高校生の時にスーパーカーを聞いて過ごしてたの時期があるのでなんか彼らが生き返ったみたいで嬉しかった。「Teen Flick」とか「Can Little Birds Remenber?」とか「水と眠る」とか、本当現代版スーパーカーって感じで好き。なんなら男性ボーカルも声がナカコーっぽい。真似とかそういう次元の話をしているのではないです。
極論、スーパーカーとかも知らなくてどうでもいいから、とにかくかっこいいので聞いて欲しい。小難しいことを考えなくも聞きやすい曲が多いから絶対楽しめる。
あとこれは失礼なんですが、作詞作曲している人が、根暗そうで、本当に音楽好きなんだろうなって感じの人で、好感を持ってしまった。高校にいたら教室の隅でウォークマンで全然流行ってない曲を聞いてそう。この方に深度が及ぶとは微塵も思っていないが、自分もそういうタイプなので勝手に親近感を持ってしまって一層好きになった。
これで全然売れないのが謎すぎる。一刻も早く売れて欲しい。あとコロナが収束したら絶対ライブに行きたい。地方には来てくれなさそうだけど。こんな曲を作れるような人たちが専業でバンドしてないのか。


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