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人生はどこでどう転ぶかわからない

2010年、宇都宮ブレックス1回目の優勝パレード。
わたしは現地にいた。

といっても、チームを応援してたわけではない。

たまたま知り合いが運営に関わると聞いたこと、直前に田臥選手をみかけたことが重なって、
「せっかくだから見にいく?」
そんな完全なる野次馬で。

じゃあ次は試合にいってみる?
そんなノリでチケットを買ったのだったか、招待券をもらったか、友達に誘われたのか。
いまとなってはいつ誰とだったのかさえ思いだせないのだけど、
とにかく2010-11シーズンに観戦デビュー。

そこから年に2回くらい、誘われてなんとなく観戦が続いてはいたけど、
球技がまるでダメで、バスケへの興味も経験もバスケをやる恋人もなかったわたしは、
「ファウルされるとフリースロー2本でしょ?なんでいま1本なの?えっ3本のときもあるの!?」
みたいなことを3年くらいいっていた笑
(そんな奴をよくぞ懲りずに誘ってくれたものだ)

チームはいわゆる冬の時代。
試合開始後にふらっといっても自由席は選び放題、応援のクラップはまばら、ヤジもなかなかのもので…
正直、ハマれる要素がなかった。

いま思えば竜三さんやまっちーの現役時代も、Dライズのえんどぅもみていたはずなのに、
自慢じゃないがまっったく覚えていない。
(アリーナをアルパカが歩いていたことや、うっかり落とした空き缶の音が盛大に響いてしまったことばかりやけに覚えている)
もったいないけど、いまさらどうしようもない。

そこまで興味がないのになぜ観戦が続いたのか自分でもはっきりしないけど、
地元で誘われやすかったこと、EZ DO DANCEではじまる悪くない週末の暇つぶし、程度だったんだと思う。

そしてBリーグ開幕と前後して、試合をみること、応援することがだんだんおもしろくなってくる。
リーグ開幕のLEDコートをテレビで見る程度には興味があったし、ホーム開幕戦は「超満員の接戦で声がかれた」と残している。

それでも時々みにいけばじゅうぶん、そんなペースが崩れたのは初年度CS。

せっかくだからと誘われて、まったく気負わぬままで遭遇してしまった、オープニングの演出、そして大逆転劇。
なにこれ!こんなことある?すごい!!
気づけば翌週のチケットを買っていた。
そこで待っていたのは3戦目、手が震えるほどの緊張感。
アウェイエンドにいたわたしは、混み合って見えるディフェンスの間をするするっと吸い込まれるように進んでいくライアンの背中を目撃した。


ファイナルのチケットをとらない選択肢はなかった。

それからというもの、CSで初のアウェイ参戦を果たし、RSでもアウェイを経験し、ひとり観戦が平気になり、ブレックス以外の試合も見にいき…
我ながらよくもまぁここまでハマったものだと笑ってしまう。
バタフライエフェクトのように、2010年のささいなきっかけは、生活までも変えるほどの影響力をもっていた。
あいかわらずバスケは詳しくないし、やりたいとも思わないままだけど、応援するよろこびや、日々が彩られるしあわせを知っている。
わたしなりのたのしみかたが、わたしにとってはさいこうなのだ。

こんなわたしの沼落ちみたいな現象が、今シーズンも各地で繰り広げられたんだろう。
奇跡みたいなサクセスストーリーには、それだけの力がある。
そしてこれからも何度も、ブレックスは奇跡を起こすんだ。


余談だけど、そもそもブレックスという存在を認知したきっかけは、新人のころ勤めていた職場の15ほど上のお姉様だった。
川村選手の大ファンで、当時できていた出待ちをしては
「タクちゃんがかっこよくてー…」
「なかなかファンサしてくれないタクちゃんが昨日はねー…」
と週明けに聞かされるのが常だった。
おばさんがタクちゃんタクちゃんって…なんて内心呆れていたけれど、そのころのお姉様くらいになったいま、海やヒデを見ていて思う。

わかる、わかるよ。
めっちゃかわいい。

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