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第0031撃「メタ氏、消しゴムを落として恋に落ちた!!」の巻

おはこんばんにち和、
ご無沙汰しています。
メタです。

すぐに読める読み物です。
いつも拙文をお読みくださり、
誠にありがとうございます。
嬉しいです!
◝(⑅•ᴗ•⑅)◜
(人名や場所名が登場する際は仮名にする場合があります)

平成2年1990年、7月、中学2年1学期。
美術の時間のことです。
同じクラスの帆沖琴音(仮名)という女子生徒と、
机で向かいあうかたちになりました。
黒髪が肩にかかる程度の可愛らしい子でした。
いつも頬を赤らめていて、
愛想の笑顔が照れ屋さんみたいで、
とてもチャーミングとしかいいようがありませんでした。

小生はうっかり消しゴムをすべらせてしまい、
帆沖の腕にあたって床に落としてしまいました。
「あ、ごめーん」小生がそう言うと、
帆沖は笑顔を浮かべながら、
「はい」と拾ってくれました。
それからしばらくして小生はまたもや、
消しゴムを帆沖のほうに落としてしまいました。
「ごめんごめーん」
笑いながら帆沖が返してくれました。

〈二度あることは三度、やる。笑〉
今度はわざと消しゴムを人さし指で弾いて、
帆沖のシャツにあてて落としました。
「ごめ〜ん!拾って〜?」
甘えるように小生は頼みました。
そんなに面白いことでもないだろうに、
帆沖はまた笑いながら拾ってくれました。

そんなことをさらに数度繰り返しました。

うぶな中学二年の小生にとって、
その子犬どうしのじゃれあいのようなひとゝきほど、
天界でみている夢のような、
ふわふわとしたやわらかな甘美はありませんでした。

中学一年のとき緑谷(仮名)が、
「夢野は誰が好きなんや?おれは帆沖やで」と話していたことがありました。
小生は地元の小学校へは通っていなかったので、
当時は「帆沖」と言われても誰のことなのかわかりませんでした。

小生といま目のまえで戯れているのがその帆沖なのだ。
緑谷が泣いて交代を要求するようなシチュエーションに、
まるで守護霊が粋な計らいをしてくれたかのような体験に、
小生は恵まれたのでした。
その一連の様子を、
じっと見ている男がいるとも知らずに……。

同じクラスに郷平(仮名)という、
背は低いながら筋肉質で、
腕相撲のめっぽう強い生徒がいました。
下校するときたまたま彼と校舎の玄関で会ったので、
一緒に帰ろうということになりました。
「少し話でもしようや」
郷平とブランコのある公園に寄りました。

部活の話でもしていたと思います。
突然、「おまえ、帆沖が好きやろ?」と訊いてきました。
小生は慌てて思わず、
「べつに好きちゃうわ」と嘘をついてしまいました。
「隠すな、知ってるんやぞ」郷平が真面目な顔つきで言いました。

もしその時、「好きやで」と言っていたら、
どうなっていたのだろうか。
早速、恋敵となって巨大な壁のように小生のまえに立ちはだかったのでしょうか。
それとも、恋のキューピットとして小生と帆沖との仲を支援してくれたのでしょうか。

小心の小生はその後なんのアクションをみせることも出来ず、
1学期はまもなく終業式が近づき、
夏休みを迎えようとしていたのでした。

【CM曲】菊池桃子 RA MU「青山killer物語」

菊池桃子 RA MU「青山killer物語」

菊池桃子 RA MU「愛は心の仕事です」

菊池桃子 RA MUのプレイリストつくりました!!

KAN「愛は勝つ」

続く。果てしなく続く……。

いつもお読みくださり、
無限の無限のありがとうございまする☆
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では、ご氣元よう‼️
( ⸝⸝•ᴗ•⸝⸝ )੭⁾⁾

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