頑張らなくてもいい

オーストリアへの渡航直前、留学前に父が私に言ったこと。

「頑張らなくてもいいんだよ」


この言葉に何度助けられたことか。

気づいたら肩に力が入ってしまう。
考えすぎてしまう。
そして勝手に一人でイライラして苦しくなってしまう。

そんなわたしにとって、その言葉は何度も救いになった。

夏に入り、授業料、家賃、光熱費・・支払わなくてはいけないものが一気に押し寄せてきた。こんなにお金に不安を感じるのは人生で初めてだと思う。親が私の前でお金の話をすることは一切なかったため、お金に対して真剣に考えることないまま大人になった。10代の時、不安に感じたことは一度もなかった。元々倹約家の性質で浪費に走ることはなかった、というのもあると思う。正社員として働いていた時は、旅行や時折のそれなりに贅沢なセルフケア以外、ほぼ貯金に充てていた。あまり深く考えることなく、まあ生活できればいいか、くらいだった。

でも今、入ってくるアルバイト収入は小遣いレベルで、交通費から食費から必要品何から何まで全部が高い今、この不安に蓋をすることができない。

日本でも物価は上がっているので、どこにいても一緒なのはわかっている。ただ、こっちの物価レベルに面食らうことは日常茶飯事だ。この間眼鏡を壊してしまい、眼鏡屋さんに行くと300€くらい(4~5万円)と言われた。もうすぐ母が還暦を迎えるのに・・。お金を気にしてしまう自分に嫌気がさしてしまう。

ただ、今は、早く卒業してフルタイムで働きたいと、そう心の中で叫んでいる。

留学から半年近くたち、夏休みに入って色々と落ち着いてきた今だからこそ、未来のことについて憂いてしまっているのかもしれない。

学生となることを選んだ私。今やっていることは将来への投資だ。頭ではわかっている。この不安を将来に向けての活力に変えていこうと、ポジティブに変換しようと。だがしかし、もがいている。

そんな中、父の言葉を思い出した。

「頑張らなくていい。」

甘いという人もいるかもしれない。

でも、今の私にはこの言葉が拠り所だ。
気づいたら涙が出てきた。

無理にポジティブになろうとしなくていいから、
自分が安心してできる範囲のことに丁寧に向き合っていこうと思う。