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親方衆と行ったソウル旅行での経験談!【前編】

もう随分前の話だが仕事の付き合いで行ったソウル旅行の話だ。
韓国が初めてという人たちとソウルに行った。
明らかに私とは旅行の価値観が違う人たちとの旅だった。


ソウルでのアクシデントと一期一会

韓国をリピートしていた頃、色んな人に誘われてソウルに行っていた。
営業のお付き合いでもよくお誘いを受けた。
体のいいお誘いだったが、ある意味ガイドのような扱いが多かった。

仕事関係の人と行ったソウル旅行

建築関係の職人をしていた人たちから韓国旅行に誘われた。
誘ってくれたのは大工の棟梁二人と左官の親方をしている3人だ。

当時の私よりも10歳程度上の人たちだった。

当然のように幹事を任されたが、仕事でいつもお世話になっている人たちだから喜んで引き受けた。
親方衆の本音は、私がよく韓国に行っていたので自分たちも一度連れていけということだ。

2泊3日の格安ツアーに申し込めば手間がいらないと思ったが、敢えて飛行機とホテルだけを人数分予約した。
冬の閑散期だったこともあって想像以上に安かった。
勤めていた会社には理由を言わずに有給休暇届を提出した。

個人旅行にしたのは、親方衆のわがままなリクエストを聞くことになればツアーの方が高くつくと判断したからだ。
例えば部屋は一人部屋にしてくれといった要求だ。
ツアーだとオプション料金になる。

ツアーは、元々一部屋料金で売り出している海外のホテルのツイン部屋に二人入れることで料金を安く設定しているからだ。
しかもホテルの立地を変更するだけでもオプション料金が必要になる。
もちろん滞在時間を長くしても同じことだ。
更にいつも私が宿泊するような格安料金のホテルでは満足してもらえないことも分かっている。
そのようなことを考え手間はかかっても個人旅行にしたという訳だ。

営業職なので時間を見つけて会社で予定を立てた。
上司に報告ができないというだけで、これも仕事をスムーズに行うためだと自分を正当化した。

ソウル旅行に出発

棟梁の車で関空に向かい、昼前には仁川国際空港に到着した。
親方衆なので経済的余裕があるのは知っていたが、空港からホテルまではタクシーを使わず敢えて電車で行くことにした。

個人的に予算を節約したかったからだ。
返ってそんな旅が喜んで貰えることも知っていた。

ソウル駅から地下鉄を乗り継いで予約したホテルの最寄り駅ウルチロ3街で降りた。
ホテルは私がいつも泊まるようなスタンダードなグレードではなくスーペリアランクを3部屋選んでいた。

それぞれいびきが大きいという理由で一人部屋にした。
私はその内の一人と相部屋で予約はしたが近くの安いホテルを探す予定だ。
取りあえずその部屋に荷物を置いて観光に出た。

ソウルの観光

以前に知り合いになっていた模範タクシーを呼び景福宮(きょんぼっくん)へ向かった。
ソウルではお決まりの観光コースだ。
その後仁寺洞(いんさどん)付近を観光する予定を熟し、そのまま仁寺洞の焼肉店で夕食にした。
4人なので予約はしていなかったがそこそこの高級店だった。
それまでは紳士だった親方衆も酒が入れば人も変わるだろうと心配していたが、想像に反し意外に紳士的振る舞いは保っていた。

この後ソウルタワーからの夜景やお決まりのカラオケなどを予定していたが、私は気をよくしてソウルでの希望を聞いた。
すると垢すりや韓国サウナ(汗蒸幕)、実弾射撃体験など思ってもいなかったリクエストを聞かされた。

私は実弾射撃などは行ったことがなくどこにあるのかも知らなかった。
そこで先ほどお世話になった模範タクシーの運転手に電話をかけ相談をした。
見るからに人柄のよさそうな彼は、他のナイトツアーも含め快くそのリクエストを引き受けてくれた。
彼にとっても願ってもない商売だったに違いない。

私はそのナイトツアーに参加するのをやめた。
まだホテルも決まっていなかったので落ち着かなかったのだ。

ソウルの夜

私は親方衆から開放され、ホテルマンをしている韓国人唯一の友人に電話を掛けた。
当時は韓国だけで使える携帯電話機を購入し、行く度に三日分のお金を振り込めば通話ができるといった簡単なものだった。

友人が勤めているホテルに空き部屋があれば予約したかったからだ。

友人はちょうど勤務を終えたところだった。
友人の勤めるホテルに空きはなかったようだが、久しぶりに飲みに行こうということになった。
私は一度ホテルに戻り、荷物を持って友人との待ち合わせ場所へ行った。
南大門最寄りのフェヒョン駅まで行き電話をすると友人が迎えに来てくれた。

ヒョンと言って再会を喜んでくれた友人は私よりも10歳くらい若かった。
背が高くイケメン顔の友人が独身なのは不思議なくらいだ。
南大門の屋台で友人がソジュとトッポッキ、サンナクチなどを注文した。
私の好みを覚えていてくれたようだ。

焼肉を食べた後なので少しでいいと言ったが友人は結構多めに注文した。
そこに「オッパー」と言って女性が二人やってきた。
「実はこの人たちと飲む約束をしていて」と言い訳がましく友人が言った。
私が「彼女か?」と聞くと話を濁しながら適当にごまかされた。

そんな事ならお邪魔だろうと言うと、そう言うだろうと思って敢えて黙っていたとのことだった。
彼女とその友達は一緒に住んでいる仲のいい友人だと紹介してくれた。

友人も韓国人にしてはシャイな人柄で、私と二人で酒を飲んでいても盛り上がることはなかっただろうからこのような選択をしたのだろうと思えた。

女性は二人とも明るい性格で、一人は日本に興味があるということだ。
韓国語で話をされると3人の会話はまったく分からなかったが、友人とその女性が日本語でフォローしてくれた。

私にしてみればちょっとしたアクシデントだったが、海外の旅では願ってもないことだ。
ちょっとしたアクシデントと一期一会は旅の醍醐味でもある。
その明るい二人のお蔭で楽しく飲むことができた。

しかし気がかりなのは今夜の宿だ。
笑いながら飲んではいたが、ずっと頭の片隅に今日はどこで寝ることになるんだろうという心配が過ぎっていた。

長くなりそうなのでこの続きは明日書くことにする。

#ソウル旅行 #旅の経験 #韓国旅行 #旅行の思い出 #旅行の記憶


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