【嘘】空に手をふる

その少年は、うっかり手を離してしまったのだろう。悲しそうに見上げる先、風船が空に吸い込まれていく。
いよいよもう完全に見えなくなるかという時、空に二本の腕が生え、丁寧に風船を受け取った。
手の様子だけで嬉しい事が伝わったのか、少年も嬉しそうに空に手をふっていた。

ありがとう