マガジンのカバー画像

嘘にまみれる毎日

485
毎日一つ嘘をつきます。誰も傷つけない嘘を。
運営しているクリエイター

2019年6月の記事一覧

【嘘】テレビデオ

【嘘】テレビデオ

押入に長いこと眠っていたテレビデオを出してみた。
学生の頃、中古本を売るお店でとても安くVHSが手に入ったので、愛用していたのだ。
埋もれるような映画三昧。
読み込み映し吐き出しを繰り返すうち、テレビデオの中に物語が沈殿し溜まっていたのだろう。
久しぶりに取り出したテレビデオは、何も読み込んでいないのにも関わらず、映像を映し始めた。

じんわりと懐かしいお話だった。

【嘘】黒

【嘘】黒

帰り道、毎日使ってる乗り換え駅で迷った。
疲れたサラリーマンの流れに身を任せ歩いていたら、見知らぬ路線のホームについてしまったのだ。
皆も同じように迷っているようだ。

真っ黒な電車が来た。

待っていたかのように人群は乗り込む。

疲れているのなら満員電車は避ければいいのに。

【嘘】上り坂

【嘘】上り坂

家の先にある上り坂は、駅と逆方向ということもあり、引っ越してきてから一度も上った事が無い。
先には住宅街と小さな公園があることは知っているのだが、他にどんな光景が広がっているのか分からない。

今日、その坂から沢山のくるぶしが転がってきた。

上は結構な傾斜なんだな。

【嘘】いつかの雨空

【嘘】いつかの雨空

今日降った雨は、タイムスリップをして、何十年も前から今日の地表へとたどり着いた。

天候の循環。

それは海流によるものだと思われている。しかし、もっと大きな流れ、つまり時間をも超えて循環し、星を生き長らえさせているのだ。

なるほど、どうりで懐かしい空のはずだ。

【嘘】靴底

【嘘】靴底

何か、踏んだかな。
そう思って、右足を上げる。
靴底を見ると、扉がある。
開けてみると、なかなか良い感じの玄関だ。

こうして引っ越し先が見つかった。

【嘘】熱いから気を付けて

【嘘】熱いから気を付けて

出来るだけ一口で召し上がれ、と言われたから、大きく口をあけてパクリと食べた。

一気に夜になった。