嘘にまみれる毎日

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本

毎日一つ嘘をつきます。誰も傷つけない嘘を。

家に帰るとテーブルの上に大きなリクガメがうつ伏せで寝ていた。
テーブルを占領しているので、仕方が無く甲羅の上で夜ご飯を食べた。
茶碗は安定しなかったけど、いつもより背筋が伸びた。

祖母から、物が小さく見える『逆さ虫眼鏡』を貰ったので、早速使ってみた。

あとで聞いたら、どうやら設計ミスがあったようで、予定より小さく見えすぎてしまっていたようだ。

虫眼鏡には、雪の結晶のような小さい宇宙が映っていた。

太陽から垂れた紐を引っ張ると、カチっと音が鳴って、そして夜になった。

最近、こういう太陽は少なくなったな。

「あ。この人、リバーシブルだ」
直感でそう感じた。

確かめる為に背中から少しひっくり返してみた。
そしたら肩の辺りから顔が出てきて少し驚いた。

「用途毎に使い分けているんですね」

こたつを片付けた部屋は、先程までの安心感を失い、どこかそわそわとする。
テーブルの足も同じように思っているようで、落ち着きが無い。
味噌汁がこぼれるから、早く慣れて欲しい。

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