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25歳、冬。初めて失恋しました。

これは、わたしの経験談ーー。
他の誰とも比べることのできないわたしだけの体験。
この想いは、とても苦しく辛く、そして切ない。
そうは言っても、やっぱりわたしだけにしかわからない。それも今のわたしにしかわからない。
だから綴る。わたしだけの言葉で。渾身の想いを込めて。

* * *

わたしは今まで、本当の失恋というものを知らなかった。
以前より書いているnoteを見てもらうとわかるのだが、わたしは今まで本当の意味で人を好きになったことがなかった。
人から好きになってもらって、お付き合いはするが、不完全燃焼で鎮火。
別れるということに悲しみを感じたことがなかった。

そんな人間が、心から好きになった人がいた。

最初、好きだと告げたのは彼の方だった。
いつの間にかわたしの方が、彼のことを好きになっていた。

その人の、何が好きかなんて聞かれてもよくわからない。
好きなところなんてたくさんあるけど、好きな理由がわからない。
一緒にいると安心するし、いつも頭の片隅にはその人がいる。
どんな彼でも受け入れられるし、そのままの彼でいいと思っていた。
一緒にいられる。それ以上、何も望んではいなかった。
今思えば、無条件でその人間のことが好きだったのだと思う。

一方で、はっきりしない彼の気持ち。
「好きかどうかわからない」
なんて言われることもしばしば

だけど、わたしが好きだからそれでよかった。
彼にもそう伝えていた。

そうやって、心の距離が伸び縮みしながら半年の年月が過ぎていった。

そんなある日、電話で別れを告げられた。
電話越しの彼は口籠もりながら別れを切り出し、等のわたしは笑いながら料理をしていた。

なぜか落ち着いていた。心は泣いていたのかもしれない。

理由は仕事に集中したいからだと彼は言った。
正直、わたしの方が仕事をしている自信はあったが、言わなかった。
仕事と恋愛は関係ないとも思ったが、それも言わなかった。

彼はまだまだ若くて伸び代がある。
(実年齢は同い年なので、わたしの考えが老けているのだと思う)
そんな彼を応援したい気持ちが強く、邪魔はできないと思った。

ー別に好きじゃなくなったわけじゃない。
そうは言われても、別れたい気持ちがあるうちは、好きか嫌いかという気持ちなんて無意味だと思った。

「別れよっか。」
そう冷静に言葉にできたわたしは、逞しかった。
自分でも驚くほど、強くなっていた。

「君といられて楽しかった。」
そう言ったわたしの声は震えていて、目からは涙が溢れていた。
思い出すと泣けてくるのだから仕方がない。

「これも選択肢の一つでしかないからね。」
こんなことが言えるなんて、自分はどれだけ冷静なのかと、ふと笑えた。
自分の成長を崇めたいと思った。たいしたもんだよ、わたし。

終始、正気だったわたしは、それ以来、涙を流していない。
そのまま、同僚に電話をかけて、結局相手が話している時間の方が長かった。話した内容もほとんど仕事のこと。
もうどんだけ冷めてんのかと、自分を疑いたくなるよ。
だけど、彼のことが好きだったのは本当です。
(これは過去のnoteを読んでいただけると、恐ろしいほど、、)
そして、今でも好きです。

愛するということは今でもよくわからないけど、
これが愛だったのかもしれないと思う時もあった。
そう思えたのが、彼でよかった。
(ああ、ここまで書いて、ちょっと泣きそうになった。。)

無理に忘れようとは思わない。
思い出した時はふと思い出に浸り、成長の糧にする。
そして目の前の自分の人生を大切に生きる。

今、こう思える余裕があるのは、しっかりと想いを伝えてきたから。
自分に嘘をつかず、相手にも嘘をつかなかったから。
しっかり自分の気持ちと向き合い続けてきてよかった。
大切なわたしの日々、ありがとう。

* * *

翌朝は思いのほか清々しく、日の出より先に目覚めたわたしは、彼に一通のメッセージを送った。

「人を好きになる素晴らしさを
わたしに教えてくれてありがとう」

まだ薄暗く、満月が街を照らす、静かな朝だった。

* 

* 

わたしを好きにさせてくれたあなたへ
一夜も経たずにこの文章を書くことができるほど、わたしは成長していました。
あなたのおかげだと思います。
出会ってくれて本当にありがとう。
そして、お互いに素敵な人生を歩みましょう。
あなたの人生に幸あれ。。
2020.11.30

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