♯5 司法試験勉強するのに知っておきたい効率爆上げのコツ3選


Ipad/タブレット

 司法試験の勉強は、一元化ノート、演習書、論証集、基本書、過去問(問題・出題趣旨・採点実感・解答用紙)などを普段用いて勉強することになります。また自主ゼミをするとなったら、友人の答案も印刷する必要があります。しかも、司法試験は8科目もあります。これら全てを持ち歩けるでしょうか、到底不可能です。過去問を解いたりしている時に急に参考書や論証集を読みたくなっても、その時なければ、大幅なロスになることは想像できるのではないでしょうか。また、少なくとも数年勉強することを踏まえると印刷代がトータルで見たらすごい高くなることや、本や書類等膨大な量になって文字通り圧迫します。

 一方で、タブレットを使用すれば様々なメリットがあります。
①書類の取り込み方にもよりますが、基本的には、文字検索が出来ます。そのため、見たいページまで一瞬で飛ぶことができるというのも強いメリットです。
②何度も書いたり消したり出来るので、データの修正や、問題や解説を真っさらにして勉強し直す等もできる点も有用でした。
③一元化ノートや暗記カード等汚損のリスクがなくなる
④Good Noteというアプリを使用する受験生が大半でしたが、このアプリはクラウドで保存出来るので、スマホでも同じ内容を開くことが出来ます。なので、Ipadで作ったものをスキマ時間でスマホで見れるというのは利便性が非常に高いです。
⑤多くの荷物をタブレット1台に集約出来るので、上述の不便さがなくなる
⑥物理的に軽くなるので、腰にも良いし普段重い思いをしなくて良い
⑦直前期には司法試験用法文(司法試験と同じ書体の六法)を使うと便利ですが、それ以外の時には、六法の無料アプリを使えば、六法持ち歩きの呪縛から解放される
⑧司法試験終了後も、娯楽アイテムとしても使えますし、Kindle等で本を読むにも使えたり何かと重宝するので本当にオススメです。

 (※何か販促のようになりましたが、アフィリエイト等はつけてないので安心してしてください笑)
 ちなみに、私は司法試験が終わったあとゲームがしやすいようにIpad mini6を購入しました。画面の小ささは気にならず、取り回しがよかったので、非常におすすめです!が、一般的には、デュアルディスプレイがいけるIpad airやIpad proが推奨されると思います。

番外編

 Ipadを司法試験勉強に使うならGoodNote6というアプリがオススメです。書類に自由に蛍光ペンや何十色ものカラーペンで書き込めますし、テキストの文字検索も可能です。有料アプリにはなりますが、必ず後悔しません!特に、下記の通り、フラッシュカードの機能も非常に司法試験勉強に有用なので、別途暗記カード用Aアプリを買わなくて済むことも踏まえると非常に使い勝手の良いコスパの高いアプリです!(下記に細かく書きます!)

一元化ノート

 もしかしたら、“一元化”の重要性は一度は聞いたことがあるかも知れません。一元化ノートとは、授業や演習で知ったこと、友人から聞いたこと、過去問で得たこと、等様々な過程を経て得た知識を一つにまとめるものを言います。一元化ノートを作っていないと、「あ、この話どっかで聞いたなどこだっけ」となったり、折角教わっても後から見返すことがないから覚えられない、と言ったことになってきます。そのため、一元化ノートは必ず作ってください。
 現在おそらく令和6年度の受験生は後6ヶ月半ほどで本試験が控えていると思います。そのような時間のない方でも作っていなかったら、是非作ってください。なぜなら、一元化ノートが最後の1ヶ月であなたを飛躍的に高めてくれるブースターとなるからです。(後述します。)
 一元化ノートは人によって作り方が様々です。論文ナビゲートテキスト(伊藤塾)やアガルートの論証集に書き込んだり、一から作る人など様々かと思います。
 私は、辰巳法律研究所の出されている趣旨規範ハンドブックをA5からA4に拡大コピーしたものをスキャンして、そこに、得た知識を書き加えていきました

辰巳法律研究所 趣旨・規範ハンドブック

 なぜ、このやり方が良いのかという理由3点について説明します。
 1点目は、論証集等と異なり、暗記以前の問題である基礎的な知識についても書いてあるためです。暗記以前というのは論証にはしないけど理解しておかないといけないことです。例えば、復習する際に、「そもそも、任意的当事者変更ってなんだっけ?」となって他の基本書等を調べる、といった必要がないことが強いメリットになります。8科目一生懸命やっていてもどうしても穴のある所は出てきてしまうので、暗記以前の基礎的知識について端的に書いてあるのは非常にメリットが大きいです。一元化ノートを作る過程や、完成後何度も見返すことで知識のムラがなくなります。  
 論証を覚えてはいるけれど、論証の意味を理解できていない人や基本的知識(基本的知識とは演習書1冊+A、Bランクの過去問から得られる知識)の精度が低い人は、こういった基礎的レベルの知識について曖昧であることが多く、このような人の論証はどこか不自然さが出てきてしまったり、問題の論点に気付けなかったりすることが良くあります。
 つまり、結果として点が伸びづらいことになります。それを防ぐためには基礎的知識もよくよく見返す必要があると思います。また♯2「司法試験論文式試験とは何者?」で話したように基本的知識の精度が高ければ知識としては十分1000位以内合格は出来るため、趣旨規範は確実合格に向けてのコスパとしてはまさしくピッタリと言えます。
 2点目は、拡大コピーしたことにより余白部分が多く取れる点です。多くの情報を書き込んでいくことになるため、余白は単純に多ければ多い程良いです。論文ナビゲートテキストを選ばなかった理由は、拡大コピーをしても余白が非常に少なかったためです。
 3点目は、1点目と被りますが時間が短縮できるということです。あらかじめ、司法試験合格に必要なほとんどの判例が書いてあるのに加えて、暗記以前のレベルの基礎的知識について書いてあるため、それらを一から入力したりするのに比べて遥かに、短時間で一元化ノートを作成することが出来ます
 一方で、デメリットも2点存在します。
 1点目は、趣旨規範ハンドブックの記述は、答案にそのまま使えるザ論証という形では書かれていないことです。そのため、論証として暗記するためには、文言の修正等を行う必要があります。アガルートの市販されている論証集や、論文ナビゲートテキスト等の論証等をベースにして修正を行い、しっかり規範それ自体となぜその規範を立てたのかの理由付けが司法試験本番という極限状態でもスラスラ出てくるように自身に合わせて修正してください。最もこれはどんな論証集においても自分でしっくりくるようへの修正は求められるので特筆すべきデメリットではないかもしれません。
 2点目は、拡大コピーすると少々嵩張るという点です。A4サイズになるので、取り回しが悪いです。しかし(笑)!、上述のIpadで取り込めば、Ipadやスマホで簡単に見れるようになるため改善出来るデメリットになります。
 以上の通り、一元化ノートは是非趣旨規範ハンドブックをA4拡大コピーして、IPadに取り込み、そこに加筆修正していくという形でされることをオススメします。

暗記カード

♯3司法試験合格に必要な知識量・勉強量」で書かせて頂いたように、私は暗記カードを重宝していました。よく司法試験界隈では、論証ゲーや、暗記ゲー等言われるかと思います。私としては、「♯2司法試験論文式試験とは何者?」で書いたように基本的な知識を精度高く暗記することが合格に直結すると考えているので、辛く苦しい繰り返しの暗記作業から逃げなかった人だけが合格すると考えています。(♯2読んでない方は是非呼んでください!)
 司法試験本番は、1年に1回しかない人生を左右する一大イベントなので、受験本番は、全く頭が回らないことを前提に考えてください。そうすると、曖昧な暗記や、方向性はこんな感じだな、これなんかで聞いたな、程度の暗記だと、平常心ではいられないため、ペンを迷わせ、歯切れの悪い記述になります。司法試験では、採点官に違和感を抱かれないことが非常に重要になってくるので、こういう曖昧な記憶に基づいた記述は採点感に違和感を抱かせ、点数は伸びないことになります。そのため、基本的知識については徹底的な暗記が求められるのです。しかも、司法試験は繰り返しになりますが、基本的知識+問題文の前事実を拾って評価するだけで好成績がつくことからも基本的知識の暗記作業は重要なものになります。
 私の使用した暗記カードの枚数でいうと、憲法60枚、民法100枚、刑法85枚、刑事訴訟法76 枚、民事訴訟法74枚、会社法71枚、行政法58枚、7科目合計524枚になります。
 この暗記カードをどうやって作っていたのかというと、GoodNote6のフラッシュカードという機能を使っていました。
 使い方については、youtubeの動画等でも上げている人がいるので、そういったのを見てもらえればと思いますが、こんな感じです。

・GoodNote6のフラッシュカードで暗記カードを作るメリット
①GoodNoteで作った一元化ノートをスクショし切り取ることで、すぐに暗記カードを作成することが出来るため、作るまでの手間が非常に早い
②GoodNoteは、スマホやIpadで同期が出来るため、スマホ一つでどんなスキマ時間にも見ることが出来る
③上述の通り、スマホ一台で全科目の暗記カードを持ち歩けることになるので嵩張らない
④紙で作るのと異なり、紛失や汚損のリスクがない
⑤紙ではないので、増やしたり削除したり修正が容易
⑥スクショでサイズを調整できるため、一枚の暗記カードの中で多くの情報も入れることが可能(紙だとカード1枚あたりの限界がネック)
⑦上記の通り、一元化ノートから作れることで、ただの論証カードよりも周りの情報を含んだ暗記カードの作成ができる
⑧GoodNoteはフラッシュカードの機能関係なく受験生の大半が購入しており、そこから追加での費用が掛からない

 といったメリットがあり、本当に本当にオススメです。
司法試験本番は1科目受けるたびに休憩時間が大体50分前後取れます。私は、このフラッシュカードのお陰で1科目あたり3周出来ていました。めちゃくちゃブースターになりました。
 また、司法試験受験2ヶ月前から本番までは、毎日2科目フラッシュカードを1周するようにしていました。(それ以前は毎日1科目を1周)
 試験本番極限の緊張の中、これだけフラッシュカードを回していたので全ての規範を理由付から正確に書くことが出来ましたし、すぐに思い出すことが出来たので、なんだっけ?と思い出すために一切時間を取られなかったことで、現場思考問題をより考える時間が生まれたり、一つでも多くの事実を拾うことが出来ました。(結果純粋未修で司法一発合格、論文596位になれました!)

暗記カードを作る際の注意点

 司法試験は、「♯2司法試験論文式試験とは何者?」でも書きましたが、論点がどこにあるのか、規範、その規範を立てた理由付けというのを基本的知識について精度高く理解し、暗記していれば必ず合格まで届きます。そのためには、自分の中でしっくりくる(覚えやすい)規範なのかどうか、規範を立てた理由が理解出来るか、確認しながら作ってください。
 また機会があれば友人の暗記カードとの見せ合いっこや出題し合うことも非常に有効です。覚えやすい言い換えや、知らなかったこと等についてダイレクトに学ぶことが出来ますし、自分の論証の至らなかった点についても教えてもらうことが出来ます。

あとがき

 今回は、一元化ノートと暗記カード、それからタブレットが効率を爆上げすることについて話させて頂きました。最後まで読んでいただきありがとうございます!
 何か質問や相談等ございましたらX(Twitter)のDMでお待ちしておりますのでお気軽にどうぞ!
 あなたの合格を心より応援しています!

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