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もうこのままいくしかないね

災害や疫病も含めて自然界で起きていることも
人と人の間で起きてることも
あれもこれもみんな
ただ均衡を維持しようとするひとつの運動とすると

誰かにとって「いい」が誰かにとって「悪い」になったりして
結局はいいも悪いもなくなって
みんなお互い様・・・ってなるな。

そんなことを考えてたら、誰も責める気になれず、肩の力が抜け、「良いこと」をしようとしても結局は過ちだらけだったりするかもしれない自分をも許すしかなくなる。


ずっと気になっていた「ゲド戦記」の原作を読み始めて3ヶ月。
最初はなかなか入り込めなかったけど、2巻の後半くらいからハマり出して、3巻で虜になった。

ゲドの声が聞きたくなると手にとっている。


今朝読んだゲドのセリフから引用させていただきます。

ただ、わしらだけは幸いなことに、自分たちがいつか必ず死ぬということを知っておる。これは人間が天から授かったすばらしい贈り物だ。ひとりの人間としてこの世にあるという・・・な。それというのも、わしらが持っているのは、いつか失わなければならないとわかっているものばかり、喜んで失っていいものばかりだからさ。わしらにとって、苦の種でもあれば、宝物でもあり、そして天の慈悲でもある、ひとりの人間としてこの世に存在することも、いつまでも同じように続くものではない。変わりもするし、なくなりもする。海の波ひとつと同じでな。そなたは、ひとつの波を救うために、そなた自身を救うために、海を静め、潮の流れを止めようと思うかい?自身の身の安全、その永久の安全を手に入れるためなら、持っている技を放棄し、喜怒哀楽の情を放棄し、日の出、日の入りのあの太陽の輝きが見られなくなってもいいと思うかい?(〜略〜)生を拒否することによって死を拒否し、永遠に生き続けようだなんて!だがな、アレン、このことづてはわしには聞こえてこない。わしが聞く意志を持たないからだ。わしは絶望から発した助言など、受けつけはせん。わしは耳も聞こえないし目も見えない。そなたがわしの道案内よ。そなたは無垢だ。勇気もある。向こう見ずだ。忠誠心にも富む。だからこそ、わしの案内と頼むのだ。そなたは、わしが前もって闇の中に送り込む子どもよ。そなたの不安や苦しみのおもむくところにわしはついていく。(〜続く〜)

「さいはての島へ」ゲド戦記3   アーシュラ・k.ル=グウィン作 清水真砂子訳(岩波少年文庫)



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