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EP13コロナで心機一転

来月いっぱいで閉店します。

Instagramで告知しましたら、菅政権並みの短い任期では有りましたが惜しむ声と、最後に伺いますとお声かけ頂けて嬉しいような、申し訳ないような複雑な気持ちになりました。

客観的に見ても必死で働いていたと思いますし、圧倒的に時間をかけてました。でもそれは喜んで貰いたいからというホスピタリティ先行では無くて、良い年齢になって、結果出して認められたいという承認欲求が95%ぐらいだったかと思います。(常連さんとか顔知ってる人にはホスピタリティ有ったかと)

プロフェッショナルとは、結果でしか語れないし結果でしか語ってもらえない。その世界で生きる覚悟だと。

僕の大好きプロフェッショナルのこれまた大好き山本 征治氏のお言葉を受けてましたので。

大衆店やチェーン店は別として、職人と周りから認知されてしまうレストランや、高級店などにおいては、賛否ある人間性でも必死にやってクオリティ高いものを提供してる人と、フレンドリーで良い人なんだけど、あんまり美味しいもの作れなくて、ちゃんとプライベートを優先する人なら、僕は前者の料理人の方が結果お客様の喜びに繋がると今でも思います。(チームを作れるかはまた別。人間性は結局出るので、結果両立していくんだと思います。)

当時は僕もそのマインドに悪い意味で染まっていて、お客様が、喜んでれば全て正義みたいな歪んだ考えだった気がします。(それも一理有る)

とはいえ、リピーターのお客様から最後にお花頂けたり、ありがたいお言葉頂けて鉄のハートの僕には珍しくジーンと来てました。(若手時代に鬼シェフにハートを鉄に錬成された。)

この辺りから承認欲求の内容が、ミシュランとか、批評サイトとか、インスタとかじゃなくて、実際喜んで貰えてるか、お客様と直にコミュニケーション取れたかとか、そっち側に変わって行きました。(友達居ないから寂しがり)


閉店して、半年ほどなんやかんやありーので、(語りづらい)
新たなお店に移り働く事になりました。(一応シェフ)
このお店はなんというか、昔の吉本なのかな?と思うぐらい異様な空気が漂っておりました(笑)


あんまり語ると狙われかねないので割愛します。

場所はまた違うエリアでしたし、あまりお知らせもしなかったのですが、前職の時のお客様が多数訪ねて来てくれました。
しばらくしてミルフィーユをそのお店でもテイクアウトで始めました。(命令)ぶっちゃけもう大分時間も経ってしまったし、エリアも違うから売れないだろーなと踏んでいたのですが、めっちゃ売れました。。。わざわざ尋ねて来て購入してくれる方がたくさんいました。驚きです。
自分の感覚ではあっという間に閉店してしまったので、もう忘れられてると思っていたので。
あくまで前職のレストランの空間とか込み込みでの人気で、ミルフィーユのみの力だとは思ってませんでした。

こりゃミルフィーユ屋ならもうやれんじゃね??
この辺りから預金通帳とにらめっこして物件見たりし始めておりました。
というのも、ガチめな料理人って30超えて良い給料頂こうと思うともう雇われでは行き場ないんです。
ホテルとか、大きなレストラン、婚礼の料理長とかならまだしも、小さな個人店で数人で回してるお店にさける人件費なんてちょっと調べたらもうわかっちゃう時代です。(牛宮城の動画参照)


ポストと、給料のバランスとして中年には厳しい世界です。
言われた仕事こなすだけなら若いスタッフの方が雇う側のコスパが良いからです。体力勝負ですし。最近の若者は頭も良く器用です。
政治家みたいな料理人がめっちゃ増えましたが、そういう才覚も僕には皆無です。
雇われで普通に働き続けて開業資金稼ぐなんて無理ゲーだなと。資本主義ですから、
親が金持ちとか、土地持ってるとか、何も無い僕には自己資金集めるか、投資してもらえるとかないとレストランは無理やなとわかって半ば諦めて淡々とマシーンの様に働いていたら、コロナ関連のニュースがポツポツ出始めました。
なんかまた感染症が海外で出たなーとか思ってたらあっという間に日本上陸。東京も感染拡大、、まさかの緊急事態宣言。

まだ先の見えない第一波。

ここからひたすらテイクアウトのお弁当をオーナー命令で作る毎日。。
元々賄いとか家庭料理作るの好きなので、それ自体は嫌でないのですが、半強制的にレストランでお客様と触れ合える時間がうばわれるんだなーと、悶々としながらやっておりました。でも世界中皆んな同じです。。。文句なんて誰も言えません。

しかもテイクアウトブームみたいになり、通常営業するより忙しくて休憩も出来なくなり。こんな状況で給料払ってやってんだアピールもされ、お店の空気更に悪いなー、、、もう自分でやろ。決断しました。
そもそもチーム編成力なんて全く無いのは証明されてますから、一人で最小限でお店やろうと。ミルフィーユビストロでもとりあえずええわと。
結局雇われで好きにやるなんて無理ゲーでした。リスク取らないと何も始まりません。

本当はちゃんと設えも料理も整えてちゃんとレストランでやりたいと思ってましたが、もう何も失うものも無い。
明日どうなるかわからない世の中で動きの遅い組織にいる方がリスクだなと思いました。もうあと先考えずにやっちゃる!
とりあえず今ある資金でなんとかしちゃる。そう思ったコロナ禍の夏でした。

次回。個人事業主始めました。


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