建築図法 立体・パース表現から設計製図へ
建築初学者向けの図学・基礎製図の教科書です。CADを用いた製図が普通の現代でも、基礎技術として身につけておきたい様々な作図技法を解説した一冊。
室内(内観)透視図の素材には前川國男による〈前川國男邸(自邸)〉、全景(外観)透視図の素材にはル・コルビュジエによる〈サヴォア邸〉を採用。図法手順の羅列に終始せず、谷口吉生・高宮眞介両氏設計の〈資生堂アートハウス〉、フランク・ロイド・ライトやルイス・カーンのスケッチなど多様な建築・美術作品を参照しながら、建築設計・建築史との具体的なつながりがわかる解説も充実しています。
著者は、磯崎新アトリエで15年勤められた後に独立され、現在静岡理工科大学で教鞭をとっておられる佐藤健司さんです。
内容紹介
設計製図を始めるための基礎として、平面・立体、アイソメ・アクソメ、パース、陰影表現、着彩まで、基本的な作図プロセスを学ぶ教科書。手を動かしながら順を追って技法を習得する過程で、建築の諸図面への理解も進むよう工夫した。建築物などの実例を豊富に併載し、学習内容と実際の建築設計のつながりがわかる解説も充実。
著者紹介
佐藤健司
静岡理工科大学理工学部建築学科 教授。1958年、埼玉県大宮市生まれ。1981年、東京大学工学部建築学科卒業。1983年、東京大学大学院工学系研究科建築学専門課程修士課程修了、工学修士。1983-1984年、メルボルン大学大学院留学(ロータリー奨学生)。1985-2000年、株式会社 磯崎新アトリエ 勤務。2000-2017年、有限会社 佐藤健司建築都市研究所 代表取締役。2017年より現職。
目次
第1章 分割するということ
1. 直線の等分割
2. 角の2等分
3. 直線の垂直2等分線
4. ボロノイ図の作図
5. 黄金比
6. 正多角形
7. なわばりの幾何学
8. タイル割りと平面充填問題
第2章 円と直線をなめらかにつなげる
1. 円に外側の1点から接線を引く
2. 2つの円の共通接線を引く
3. 資生堂アートハウスの平面図
4. 疑似楕円
5. スプライン曲線・曲面
6. 「分割する」ことと「つなげる」こと
第3章 建築は箱である
1. 模型制作用図面
2. 模型制作
3. アドルフ・ロースのラウムプラン
4. 平面図・断面図の作図
5. ローマの教訓とプラトン立体
6. パンテオンとシェル(殻)
第4章 全体を俯瞰する
1. 平面図と立体図
2. 等測軸測投象図(アイソメトリック図)を描く
3. 等測図(アイソメトリック図)の簡便な描き方
4. 斜投象図(アクソノメトリック図)
5. デ・スティルとシュレーダー邸
6. 正四面体の作図
7. ル・コルビュジェの「建築家各位への覚書」
第5章 複雑な立体
1. 模型の制作
2. マレーヴィッチのアルキテクトニキ
3. 陰影を作図する
4. 平面図、断面図、アクソノメトリック図に陰影を作図する
5. コンピュータでの作図
第6章 透視図の基礎
1. 点の透視図
2. 地平面上の長方形の透視図
3. 視点位置を変更して、地平面上の長方形の透視図を描く
4. 直方体の透視図
5. 画面に対し平面的に30°回転して置かれた直方体の透視図
6. 直方体の二点透視図において視点高さを変更する
7. フランク・ロイド・ライトのプレーリー・ハウス
第7章 室内の光と影
1. 前川國男邸
2. 建築図面の構成
3. リビング・ルームの一点透視図
4. アウトラインをワトソン紙に転写して水彩で仕上げる
5. カルタゴの家
6. ピラネージの牢獄シリーズ
7. 北京国家大劇院のコンコース
第8章 印象に残る外観の描画
1. サヴォア邸
2. 直方体のボリュームの透視図
3. サヴォア邸の外観透視図とアウトラインの作図
4. ワトソン紙に転写して水彩で仕上げる
5. 「ドミノ」型住宅
6. 新しい建築の5つの要点
7. コルビュジェとカーンのアクロポリス
図版出典・クレジット一覧
参考文献一覧
巻末折図(サヴォア邸 平面図・断面図)
書誌情報
体 裁 A4変・96頁・定価 本体2400円+税
ISBN 978-4-7615-2721-1
発行日 2019/12/10
装 丁 KOTO DESIGN Inc. 山本剛史
企画・編集 松本優真
編集 知念靖廣
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