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ある閉ざされた雪の山荘で

映画化されたということで東野圭吾さんの"ある閉ざされた雪の山荘で"を読みました。
そして公開された映画も観ました。

まずは原作について感想を。
書かれたのは約30年以上前ということでしたが、今読んでも楽しめる作品でした。どんでん返しがすごいという前情報があったので、期待値を大きくしたせいもあり、そこまで驚きはしなかったのですが、きれいな構造の作品だと思いました。前情報なしで読みたかった作品ですね。

どんでん返しといいますか、往々にしてミステリは驚きを期待してしまっている分、それを超えるのはなかなか難しいのだと改めて感じました。ここ数年で期待を超えてきたのは、王道ですが十角館の殺人、最近ではmedium、硝子の塔の殺人あたりでしょうか。

"ある閉ざされた雪の山荘で"に関しては驚きは少なかったとは書きましたが、さすがは東野圭吾さん作品で、細かな作り込みが素晴らしく、トリックの構造や心理描写は隙がありません。読後感は人それぞれだと思いますが、個人的にはすっきりしました。

さて、続いては映画について。
この原作をどのように映画化するのか、そして"演技"はどのように表現するのかが気になり観てみました。映画は2時間の中に収めなければならないので、難しいところはあると思いますが、正直なところ、原作で作り込まれていた箇所が荒くなっており突っ込みどころが多かった印象でした。しかしながら、ラストは原作とは異なり、こちらはこちらでよかったです。

ノベルティの仕掛けがよかったですし、かわいいブックカバーもゲットできたことなのて、観てよかったことにします。

2024年もいいミステリに出会えることを願って。

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