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地元でBARを営むKさん

尊敬シリーズやるならスタートはこの人しかいないであろう。
僕が10代ラストに出逢った。僕のそれまでの価値観をガラリと変えて、今現在のアイデンティティーを作ってくれた男である。
そして何を隠そう、僕の実の兄の「命の恩人」である。
Kさんとの出逢いは、19歳の時でした。
友達に誘われた、河川敷でのBBQ。
そこには約30人ほどのメンバーがBBQを楽しんでいました。

当時今ほど、社交的ではなかったので知らない年上の大人達がたくさんいる環境は正直緊張した。そして帰りたかった。

車から爆音でHIPHOPを流し縦ノリする人達もいれば、馬鹿話で大笑いする人達もいる。

「なんだか陽気な人達ばかりだなぁ」

そんなことを思っている中、彼は現れた。

「ウィッスー!」缶ビールで乾杯した。

僕は昔から、場の空気を読める。そしてどの人がボスなのかも、なんとなくオーラで掴める特殊能力を持っている。

この人がこのグループのボスだろう。一瞬で判断した。

「大喜の友達?イケメンだねー。というか、服で隠れてるけどさぁ。めっちゃガタイいいよね?腕相撲強い?」
Kさんは興味津々に聞いてきた。

褒められて悪い気はしなかった。僕は、
「腕相撲っすか?まぁそこそこ強いっす。」
すると、Kさんは
「おーい!さとぴー!腕相撲やるよー!!」
メンバーの体格の1人を呼んだ。
「さとぴーは今いるメンバーで1番腕相撲強いからやってみて!」

なにやら初見の男とさとぴーが腕相撲をやるらしい。BBQにいたメンバーは全員腕相撲に注目した。
僕はその腕相撲でさとぴーさんを倒した。
周りから祝福の声が上がり、さとぴーさんを倒した僕は一躍ヒーローになった。
みんなから話しかけられ、チヤホヤされ、最高の気分だった。僕はこのグループが一気に好きになった。

今思うと、初見で場に馴染めていない僕を見て、Kさんは、輪に巻き込む為に腕相撲の場を設けてくれたような気もする。
それくらいKさんは人思いで、人を輪に巻き込むのが上手い人だ。

それからKさんとは良く飲みにいくようになるのだが、この人は本当にカッコいい。
「話が面白い」「みんなが盛り上がるように常に考えている」「オシャレ」「映画好き」
「音楽好き」「頭がいい」「楽しいことがとにかく好き」「頭の回転が早い」
尊敬するところを出したらキリがないくらい、カッコ良かった。

Kさんの影響で僕は、「映画」好きになり、
「面白い話」を常に考えるようになり、
「みんなが盛り上がるようなゲームや企画」
を常に考えるようになった。
僕がコミュニケーション能力が高まったのは、ほぼKさんのおかげといっても過言ではない。

そんなKさんの話は、キリがないくらい語りそうなので、特に印象的なエピソードを2つだけ紹介させて欲しい。

一つ目はKさん主催の「オセロ大会」のエピソードだ。
Kさんは誰もが楽しめる「オセロ」で花巻で大会やろう。と主催した。
Kさんが声をかけると、花巻市民は100人近く動く。そして、Twitterなどでも「オセロ大会」を呼びかけた。。。
すると、県内外から、オセロの猛者達が集まった。
全国には「オセロ協会」というものがあるらしい。オセロ協会からもエントリーがあった。
ネットオセロゲーム界で不動のNo. 1プレーヤー「神」と称される青年もエントリーしてきた。
みんなが楽しむイベント感覚で主催した「オセロ大会」が全国規模のとんでもない大会になったのだった。
Kさんは主催者なので参加しなかった。
ちなみに僕は3回戦で敗退した。。

決勝は
[「オセロ協会」からの刺客VS「神」と称される青年]
だった。終始緊迫するその試合に全員息を呑んだ。
激闘の末、優勝は「オセロ協会」からの刺客だった。

そしてオセロ大会が終わり、懇親会で飲みに行った。大会に参加できなかったKさんは優勝者と準優勝者とオセロをしてみたいと言い出した。

それがね、Kさんあっさり2人に勝っちゃうんですよね、、、笑

もうこの時思いましたね。「あぁ、この人、天才だ、、、」笑

そしてもう一つは、「兄の命の恩人」って話しですね。

僕の兄って絵に書いたような「いいやつ」なんですよね。
真面目で、人当たりが良くて、いつもニコニコしていて、常に人に気を遣っていて、相手思いですごく優しい。自分が損をしても相手が幸せならそれでいい。みたいな人なんですよね。

でも色々頑張りすぎて、限界が来たんでしょうね。
働きすぎと家庭内のことが原因で、一回蒸発してるんですよね。
1週間くらい行方不明になって、僕も東京から一旦戻って、知り合いみんなで探しました。ようやく見つかった時には、もう昔の元気な兄ではなくなっていました。

そこからしばらく引きこもり、会話もままならない状態でしたが、少しずつ僕の前では、いつもの兄になってきた。

でもみんなに迷惑をかけてしまったという罪悪感の念に何度も殺されそうになり、もう花巻にはいられない。みたいになってしまった。

東京に兄を呼び、東京で2週間程一緒に暮らした。ちょうど嫁が出産で里帰り中だったので、料理、洗濯、皿洗い、家事全般やらせた。笑
そして僕が休みの日は、色々東京観光をした。兄の価値観揺さぶる為にいろんな映画見たり、飲みに行ったり、大江戸温泉とかにいった。
兄は少し元気になった。

「花巻に戻って働くよ。」花巻に戻り、新しい職に就いたようだった。
職は決まりましたが、やはり交友関係は全てシャットダウンしているようだった。
もう合わせる顔がない、、、と。

その年のGWに僕は実家に帰省した。
この年にKさんはBARをオープンしたので、僕は絶対お祝いに行こうと決めていた。
実家に兄がいたのでKさんの店に一緒に行こうと誘った。

「ねぇ、一緒に行こう!」
「いや、俺はいいから。」
「やだ!一緒に行こう!」
「ホント無理!合わす顔がない!」
「一真行かないなら俺も行かない!」
「いいから行けって!」
「あ、Kさんに一真もいくってメールしちゃった。」
「はぁ?もうお前なにしてんの?」
「もう行くしかないっすね!笑」

それでも行かないとかゴネるので、僕は体を無理やり引っ張って車に乗せた。

Kさんならなんとかしてくれるんじゃないかと思い。。。

Kさんの店に着くなり、Kさんは普通に迎えてくれた。珍しそうな感じもなく、驚いた様子もなく、いつも通り「普通」に迎えてくれた。そしてカウンターに案内してくれた。

「まぁ、いろいろあるよな。」そう言いながら、Kさんは兄がいつも飲んでいた「カンパリロック」を作ってくれた。

僕は違う席にいた友人達のテーブルに混ざったので、その後の詳しい会話は聞いていないが、帰りのタクシーで兄はこう言った。
「Kさん、俺のこと仲間だって、、、仲間なのに気ィ遣ってんじゃねぇよ。ばーか!って。。。」
Kさんらしい温かい言葉に、兄はボロボロ泣いていた。

それから、兄は以前のように、Kさんと遊ぶようになった。以前と違うのはKさんは、BARをやっているので、しょっちゅう店に遊びに行くようになった。

たまにKさんがインスタで店の写真をUPしてくれる。その写真をよく見ると、すげぇ楽しそうなやつが写っている。
「あー、今日も一真はKさんの店に行ってるんだなぁ、、、笑」

兄が以前のような元気を取り戻したのはKさんのおかげです。
本当にありがとうございます!!

[Kさんを尊敬し、僕が得たこと]
・映画
・面白い話
・コミュニケーション
・仲間を思いやる気持ち
・人を巻き込む力
・企画力
・人生はゲーム
・好奇心旺盛

[Kさんがなぜカリスマなのか?]
自論ですが、Kさんは相当な洞察力と観察力の持ち主です。今、この人のこの状況なら、どんなことをしてあげるのが1番良いかを、手に取るように分かる人なんだと思います。
それにより救われた人、感動した人ってたくさんいると思います。
そんなKさんをみんな大好きで輪が出来る。
そして、頭もいいですが、いつまでもワクワクと楽しいことを忘れない好奇心というものも、最大の魅力かな?
と思いました。僕もこんな大人になりたい。

ps.書いていて思い出したが、Kさんに借りていた映画「スティング」と「ファイトクラブ」と「パルプフィクション」を現在借りパク中だということが判明しました。
すみません!!