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1か月予報(2/5~3/4)

2月3日発表の1か月予報です。
2月前半は寒波の影響で全国的に厳しい寒さとなるでしょう。

1.一般向け

寒暖差大きい

向こう1か月の気温は西・東日本で平年並みか低く、北日本と沖縄・奄美でほぼ平年並みの予想です。西・東日本は冬型が強く寒気の影響を受けやすいため低温傾向です。特に、2月の前半にかけてその傾向が顕著で、2/5からの1週間は西・東日本は低く、北日本も平年並みか低い予想となっています。
路面凍結や水道管凍結などに要注意でしょう。

一方、2月後半は冬型が弱まり、寒気の流れ込みも弱まるために、北日本では平年並みか高い予想で、高温傾向に変わりそうです。早くに気温が高くなる可能性があり、融雪災害に注意が必要です。

北陸大雪、南西諸島大雨警戒

向こう1か月の降雪量は北陸で平年並みか多い予想です。寒気の影響を受けやすいことや、強い冬型によりJPCZの影響を受けるために、多雪傾向です。北陸では大雪による交通障害などに要警戒です。

また、南西諸島は2月前半を中心に前線や湿った空気の影響を受けやすく、向こう1か月の降水量は平年並みか多い予想です。日本のはるか南では高気圧が強く、前線に向かう暖かく湿った空気の流れ込みが多いため、度々大雨となる恐れがあります。季節外れの災害に要警戒です。

2.専門版

熱帯

熱帯の対流活動はインド洋東部を中心にインド洋~太平洋西部で活発、太平洋中部~東部で不活発の予測。インド洋の対流活発位相はわずかながら期間後半になると東進しているようにみえる。

200hPa速度ポテンシャル(熱帯、1か月)

上層

200hPa流線関数はアラビア海北部を中心に高気圧性循環偏差が明瞭。インド洋の対流活発が寄与していると思われる。

200hPa流線関数(1か月)

1週目は亜熱帯ジェット沿いの波束伝播により日本の南に高気圧性循環偏差がみられる。また、寒帯前線ジェットの波束伝播により日本のはるか東は低気圧性循環偏差。

200hPa流線関数(1週目)

2週目は南西諸島~西日本は低気圧圧性循環偏差に転じているが、おそらく華南付近の対流活動が弱まり、上層発散が弱まることと関連してる。

200hPa流線関数(2週目)

3・4週目は亜熱帯・寒帯前線ジェットが位相を合わせ、日本付近は広く高気圧性循環偏差となり偏西風は北偏傾向。

200hPa流線関数(3・4週目)

中層

500hPa高度は北米で負偏差が強く、極渦が偏っている。このため、シベリアから北海道付近は正偏差域となっている。また、ジェットの蛇行に対応して、日本のはるか東では負偏差で日本付近は東谷傾向。

500hPa高度(1か月)

その負偏差は2週目まで顕著で、本州付近も負偏差域に入り、西~東日本中心に寒気が流れ込みやすい。

500hPa高度(1週目、2週目)

3・4週目は負偏差域はなくなり、日本付近は正偏差で寒気の影響は受けにくい。偏西風の北偏に対応している。

500hPa高度(3・4週目)

下層

熱帯の対流活発に対応して、西部太平洋熱帯域では850hPa流線関数の高気圧性循環偏差がみられる。2週目まで顕著で、南西諸島には南西からの暖湿気が流れ込みやすいと考えられる。また、上層の東谷傾向に対応して、日本のはるか東では低気圧性循環偏差となっており、アリューシャン低気圧は強い。

850hPa流線関数(1週目、2週目)

3・4週目は偏西風北偏の影響で日本の東は高気圧性循環偏差となり、下層も寒気は流れ込みにくい。

850hPa流線関数(3・4週目)

海面気圧は1・2週目は強いアリューシャン低気圧、強いシベリア高気圧の傾向があり、冬型が強い。2週目は日本の南も負偏差となっており、西~東日本太平洋側も前線や低気圧の影響を受けやすくなる。

海面気圧(1週目、2週目)

3・4週目はアリューシャン低気圧の弱化により、冬型は弱まる。

海面気圧(3・4週目)

850hPa気温は、1・2週目は南西諸島~東北にかけ負偏差で、寒気の強い流れ込みを示唆している。

850hPa気温(1週目、2週目)

一方、3・4週目は冬型が弱まるため日本付近は正偏差で高温傾向に転ずる。寒帯前線ジェットの北偏の影響が特に大きい北日本で、高温偏差が大きい。

850hPa気温(3・4週目)


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