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#天才を殺す凡人 に凡人も殺される

「転職の思考法」の北野唯我さんの新著「天才を殺す凡人」が発売されます。

最初の50ページだけ特別に(正確にはFBグループに立候補して)読ませて貰ったので、その感想をば。


主人公はあなたであり、あなたの組織であり、この国の姿

主人公は会社員。

天才と惚れ込んだベンチャー経営者がそのカリスマ性を無くしていき、光を失い、社員に叩かれ、その姿に葛藤する場面から物語は始まります。

苦悩する主人公の傍に救世主が現れ、影を落とす経営者が置かれた立場やその状況を産み出してしまった構造に気づかされていく、というストーリー。

出てくる言葉や感情は既視感にあふれ、これはまさしく日々組織の中やSNSの中、そして自分の内面でも起こっている現象だと感じます。(物語ということもあり、けっこう内面をえぐられるような感覚がしました)


誰かを叩くということは、未来の自分を叩くことに

変わろうとする人・変えようとする人は得てして、コンフォートゾーンにいたい人達からすると、自分たちの価値観を危機にさらすので、叩く標的にされやすい。(まさにこのあたりの各ポジションの人々の違いが本書では図も交えて分かり易く解説されています)

以前、以下のnoteでも触れたのですが、時代を切り拓こうともがく人々をその時点で叩いてしまうと世の中が変わっていき、皆が変わり始めたときに過去の自分の価値観やそのときその言動を目撃していた周りのひとの目に捕らわれ、変化を選べなくなってしまいます。マウントしていた過去の自分(凡人)にマウントされてしまうのです。


才能には種類がある。そして、誰にでも才能はある。

新著では、才能には「天才」「秀才」「凡人」の3種類があり、そしてそれは誰にでも備わっていると書かれています。

その活かし方を知ることで、己の才能を活かし、また、組織の中の才能を活かすことに目覚められるのでは、そう希望を抱かせてくれます。(早く続きが読みたいです!笑)


マウントしていた人も、許せる世界を

「転職の思考法」では個人に労働・転職マーケットにおける正しい戦い方を授け、企業の都合・エージェントの都合を暴きました。本書では、それと同じように、故意であるかないかを問わず天才を殺す組織のありようを浮かび上がらせ、それに加担する人々をラベリングしてしまう力も持つような気がしています。

しかしそれは、凡人に殺される天才を憂いて本書を執筆した著者の本意とはかけ離れているでしょう。この本によって、自身や組織の中の可能性に気づき、その芽を育てたいと志す人々が連帯し、かつて天才を殺してしまった凡人をも優しく許し、共に手を携えるためのきっかけになることを切に願います。

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