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周辺視野を使った反応速度アップ術

錐体細胞と桿体細胞

人間の視野は左右100度と言われておりその内水平視野は耳側100度、鼻側60度が見えており、その内有効視野は正面5~20度です。
ちなみに上側は60度、下側は70度です。
眼の中には視野に対応した視細胞というものがあり、視野の中心部に近いところには錐体細胞と呼ばれる色や形やテクスチャをはっきりと認識できる細胞が多く、周辺部になると暗いところで働く桿体細胞と呼ばれる細胞が多くなります。こちらは色や形の認識は得意ではないのですが、明るさに反応する細胞となってます。
この細胞の組み合わせによる働きで、ヒトの眼は広く認識できる仕組みになっています。

視覚システムの種類

ヒトは視野の周辺部を意識したとき、視力が弱く物の詳細を捉えるのが苦手です。(周辺視野)
しかし、この周辺視野を活用する事でスポーツにおける反応速度を高める視覚システムと言うものが近年注目されています。

─── ここから読まなくてもいい所 ───

周辺視野で捉えた視覚情報は外側膝状体からまず一次視覚野(V1)に伝えられ、二次視覚野(V2)に届けられると頭頂葉に向かう背側視覚経路に分けられます。背側視覚経路は物の動きを捉えたり、眼と手の協応に重要な役割を果たしています。where経路、how経路と呼ばれることもあります。

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周辺視野を活用すると、反応速度が早くなるのでスポーツを行う時に役立つのです。
優れた打者はピッチャーの球がリリースされる瞬間を眼で追いかけず、肘の辺りをボヤッと全体像として捉えているという研究結果もあります。
この見方が周辺視野システムと言うもので、これを活用して好成績を残していると言われています。

反応の実験

二人一組で行います、まずは当たっても痛くない柔らかなボールを用意してください。
ボールを投げる人はキャッチする人の横を通り抜けるようにやや速めにボールを投げます。
キャッチする人は相手の投げるボールをしっかりと最後まで眼で追いかけてボールをキャッチしてください。

次に、ボールを投げる人は同じように行いますが、キャッチする人はボールをしっかり見ないように、相手の手のあたりをボヤっと遠くを見るような見方で捉えるようにしてください。
その状態で飛んできたボールをキャッチしてください。

どうでしたか?ボヤっと見ている状態のほうが反応速度が上がりましたでしょうか。この見方が周辺視野を活用したものの捉え方になります。

眼の見かたの使い分け

動きの予測や反応速度が速い視覚経路を使うことで、より素早い反応が行えるのでスポーツ選手はこの見方の使い分けを行うことでより高いパフォーマンスを発揮できるのではないかと思いますので取り入れてみてはいかがでしょうか。


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周辺視野,周辺視システム,錐体細胞,桿体細胞

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