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近視の人は老眼にならない?いや、なるよ。(前回の続きです)

こんにちは、ビジョンコンディショニングコーチの中塚です。
前回、遠視と老眼について簡単にまとめたのですが、今回もよく聞く「近視だから老眼にならない説」についてちょっとだけまとめてみます。

前回記事:老眼って遠視?いや、そうとも限らない。

近視って何だろう?

下の図は近視 (近眼) の人が眼鏡を掛けずに遠くを見た時の状態です。

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遠視と違い焦点は網膜の手前で結んでしまっています。
もう一点遠視との違いは調節ではどうにもならないという事。

どういう事かというと、人間の眼は上の図でいうと左向き方向にしか焦点を動かす事ができません。これを調節というのですが、近視の人は眼鏡などをかける以外に矯正の方法はないんです。(手術は別で)

じゃあ近視って何かと不便だし、困るよねって言いたいところですが次の図を見てください。

近視近方裸眼

近視の人は物が眼の近くによると焦点がちょうど網膜に結ぶ場所があるんです。具体的に言うとコンタクトレンズ ”-2.00D”という度数の人だと裸眼の状態で目の前50センチに焦点が合います。
なのでそのくらいの度数の人はパソコンやスマホを使うときには眼鏡がない方が無理に調節しないので眼は楽にものを見ることができます。

じゃあやっぱり近視の人は老眼にはならないんじゃ?

近くが見えないことが老眼だというならそうかもしれません。
眼鏡をはずすと近くは見えるので、そういった意味では便利な眼の状態ともいえるのではないでしょうか?

ただし老眼というのは調節力が衰えてくることを指しているので、やはり誰でも老眼になるというのは正しいと言えると思います。
次の図を見てください。

近視矯正遠方

これは、近視の人がメガネを掛けて遠くがよく見えるようになった図です。
調節力がたくさんある眼であれば近くを見た時も眼の中のレンズが膨らみ (※前回の記事参照) 近くに焦点を合わせることができるので問題はありません。

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ただし、調節力が弱まってくるとうまく焦点が合わせられなくなり、上の状態になってしまいます。
だから近視で老眼の人は近くを見るときに眼鏡を上に外すしぐさを行って裸眼で見ようとするんですね。

そうすることで、二つ前の図のように焦点合わせができるようになるので近くが見えるというメカニズムになります。
なので既製品の老眼鏡というのは近視の人の場合、メガネの上からさらに掛ける(調節力を補う)と見えるようになります。

気を付けたいのは、たまにいるのですが-2.50D位の近視の方がメガネの上からかけられる+2.50Dくらいのルーペを掛けてしまうことでしょうか。
(-2.50)+2.50=0となり裸眼の状態と同じくなってしまうので意味がないです。

じゃあどうすればよいの?

近くにちょうど焦点が合う人であればメガネをずらしてみるのも方法の一つだと思います。
その他の方法はというと、現状では遠近両用の眼鏡やコンタクトレンズを使うというのが今のところの選択肢です。

なぜ遠近両用を使うのかは、近視が強くてメガネを外してもよく見えないとか、メガネをずらすしぐさが格好悪いとか皆さんそれぞれの理由です。

僕の一番のおすすめは、使いたい距離をしっかりと説明して作ってもらった遠近両用メガネを使用する&本を読むなどずっと細かいものを見るときは老眼鏡をかけるがいいと思います。

老眼鏡が中近両用になったりアレンジはあると思いますので、眼鏡店で相談することがお勧めです。
無理せずに眼を楽に過ごせるようにしてくださいね、最後までお読みいただきありがとうございました。


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老眼って遠視?いや、そうとも限らない。



この記事の関連ワード
老眼,近視,眼鏡の知識,屈折異常,調節力低下


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