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老眼って遠視?いや、そうとも限らない。

こんにちは、ビジョンコンディショニングコーチの中塚です。
たまに店頭で老眼鏡を販売していると「老眼だから遠視のメガネ」って言われることがあります。
そのたびに、老眼と遠視は違うんですよと伝えているのですが口頭では簡単な事だけお伝え出来ますがなかなかほんとのところが伝わらないだろうなと思っていたので今日は「老眼って何さ?」をまとめてみようと思います。

眼の構造を簡単に解説

眼球前部

人間の眼は上の図のような構造になっており、外から入ってきた光を各セクションで適正に屈折させて焦点を正しく合わせています。
外からきた光は、ざっくりいうと角膜 ➡ 水晶体 ➡ 網膜という順に届けられます。
そして下の図は遠くを見ている時の眼の中の光の焦点の図です。急な簡素図ごめんなさい。(青いところは水晶体を表しましたが、なぜかこんな図に...)

遠方視

この状態は遠くを見ている時に正しく焦点が結べている状態 (いわゆる正視眼)です。この眼だと遠くは最大限クリアに見えている人の目になります。
そして次の図が近くを見た時です。

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近くを見たときは眼に近い位置から光が入ってくるので、眼の中のレンズを膨らませて網膜に焦点を合わせようとします。
これを調節と言い自動的に眼が働いてくれます、カメラのオートフォーカスのようなものですね。
しかし、このオートフォーカス機能も年齢を重ねると働きづらくなってくるんです。そう、老眼ですね!

老眼はこんな状態

老眼は40代位から自覚しはじめて、個人差はありますが50代後半~60代で進行はおさまってきます。主な原因は上の図の青いところ、水晶体が老化により弾力性がなくなってくるためと言われています。固くなると膨らめなくなるんですね。どういう状態になるかというと下の図です。

近方視

焦点が網膜を通り越してしまいました。
水晶体の光を曲げる力が足りずに、焦点がうまく合わせられなくなっています。このような状態になると眼の力だけでは足りないので、メガネによって光を曲げる力を補うために老眼鏡を掛けます。

遠視はこんな状態

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遠視の場合は近くを見ていなくても、焦点が網膜を通り過ぎてしまいました。実際は軽度の遠視だと遠くを見ている時には調節が働き網膜に焦点を結ぶことが多いです。
でも、その状態は常に目が調節を行っているので疲れます。
そして年齢を重ねるとその調節もできなくなってくるので遠視が顕在化してきてしまいます。
若い時は眼がほんとによかったんだよ、っていう方で遠視の方はこの状態で、実際はたぶん若い時から遠視があったと考えられます。

結局同じじゃないか!

いえいえ、違うんです。
遠視は屈折の状態が悪く、老眼は調節の状態が悪い事。
起きている場所と状態が違うので結果が同じでも、対処法が違ってきます。

遠視の場合は普段遠くを見るために眼鏡を必要として、老眼は近くの物を見るときだけ使う眼鏡になります。
遠視の方が老眼になればその両方、通常は遠近両用をお勧めしますよ。

長くなってしまったので、近視の人は老眼にならないの?という眼鏡屋さんは何回も聞いたことのある質問についてはまた今度図解してみようと思います。かなり簡単に説明してしまいましたし、図もなんだかなぁって感じになっちゃいましたが、最後までお読みいただきありがとうございました!


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近視の人は老眼にならない?いや、なるよ。



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老眼,遠視,眼鏡の知識,屈折異常,調節力低下

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