見出し画像

ビジョントレーニングの基礎② 動体視力

ビジョントレーニングの基礎第2回目は動体視力です。
ネットの情報ではスポーツに関連して色々と「動体視力を鍛える!」のような情報が出ていますが、いまいち動体視力というものが何なのか正確に表現しているものがみられなかったのでまとめてみます。

動体視力とは

読んで字のごとく「動体を捉える視力」というのは大体の方の認識通りだと思います。ただそれだけだと少し言葉が足りなくて「動くものを眼球運動によって追跡・明視できる能力」というほうが正確だと思います。
これは、素早く動いている物体を中心視野でとらえ続けることが出来るという意味で、実際のスポーツの場面においてそこまでシビアな動体視力というものが求められる場面というのは少ないのではないかと考えています。

一般的に言われる動体視力の能力を高めるのであれば、周辺視野を意識して動くものを捉えたり、軌道の予測ができたりする事のほうが重要になるのではないでしょうか。

画像1

バッティング時の視点の置き方

例えば野球において、ピッチャーが投げたボールを動体視力だけで追い続けることは眼球運動の限界を超えているので不可能です。
現在では上手な打者が投球動作を見るときには肘のあたりを全体を捉えるようにぼんやりと見て、初心者はボールや顔など視点が定まっていないという事がわかっています。
この事から投球時には肘のあたりを中心にぼんやりと周辺視野を活用して見ることで速い動きに対応できるのです。

ボールが止まって見える?

動体視力が良いとボールが止まって見えるという事は昔から言われています。ですが、動体視力の限界を超えて飛んでくるボールが止まって見えるという事は考えずらいです。
じゃあ嘘をついていたのか?と言われると実はそうではなく、瞬間視能力や正確な眼球運動(サッカード)が出来ていると可能になるのではないかと思います。例えば、走行中の車のホイールをぱっと見た瞬間止まって見えることがあると思いますが、同じようなことが身体の中で起きているのです。

画像2

バッティング時の眼の使い方

ピッチャーが投球動作を開始した時点では投手の上半身からリリースポイント辺りに視線を向け、投球時点では視点を投球腕の肘のあたりを中心に周辺視野で捉え、リリース直後のタイミングで早い眼球運動により予測したコースに視点を向けバッティングを行うという事が打撃時における眼の使い方になるのではと考えます。

もう一度、動体視力について考える

ここまでの内容で動体視力という事について理解いただけたかと思いますが、いわゆる動体視力とは「素早く正確な眼球運動(追従と跳躍)」「瞬間視能力」「周辺視野」などが組み合わさることで素早いものを捉えることができる能力になります。
この事がわかると、早いものを眼で追いかけるだけではなくその他の能力のトレーニングも必要だという事が伝わるのではないかと思います。

スポーツには眼だけではなく脳の処理や身体の理解も大きくかかわってきますので、ぜひトレーニングを行ってみてください。


>>next
ビジョントレーニングの基礎③ 周辺視野



<<back
ビジョントレーニングの基礎① 瞬間視



この記事の関連ワード
ビジョントレーニング,動体視力,瞬間視,眼球運動,打撃と視点

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?