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浅煎りのコーヒーを美味しく淹れるには。

川野優馬 / LIGHT UP COFFEE

浅煎りのコーヒーって淹れるのが難しいと思っている方や、酸っぱくなってしまう方も多くいらっしゃるのかなと思っています。

アプローチやレシピ、その魅力まで、浅煎りの焙煎とコーヒー屋を7年やってきたコーヒー狂いの僕が今日はまとめてみたいと思います。


僕はいろんなアプローチのコーヒーがあるのがコーヒーのいいところだと思っています。僕が個人的に美味しいと感じるスタイルの1つとして参考にしてもらえたらと思います。


美味しいドリップをするために

まず何よりもおすすめしたいのが、計ることです。

電子スケールタイマーはもはやドリップのためには必須アイテム。微々たる重さや時間で味が変わるところがコーヒーの面白さでもあり難しさでもあるので、ぜひ重さと時間を測って、ブレなくドリップしてみましょう。

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そして、同じ「豆」であっても、浅煎りと深煎りでは持っている成分も、その溶け出方も変わってきます。浅煎りは苦味や重たさが少なく焙煎されていることが多いので、軽やかさを活かしつつ、でも酸っぱくならないようなアプローチが必要です。

浅煎りへのアプローチはシンプルだとは僕は思うんですが、一般的に思われている淹れ方からするとちょっと独特に感じる方もいるかもなので、詳しく書いていきます。

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浅煎りのアプローチ

浅煎りのコーヒーは「さっと短時間で」「酸っぱい限り挽き目を細かく」淹れると良くなることが多いかなーと思います。


まず短時間のところ。軽やかに楽しめる焙煎なので、2分くらいでドリップすることが多いです。よくドリップでイメージする、ポタポタ点滴のように注ぐドリップの真逆。勢いよく粉を混ぜるようにバシャバシャ注ぐことが多かったりします。

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そして次に挽き目

浅煎りのコーヒーを淹れてみて、次のような感想を持ってしまった人も多いんじゃないでしょうか?

・酸っぱい
・トゲトゲして刺激的
・青っぽい、野菜っぽい

そんな時はぜひいつも以上に細かく挽いてみてください。酸味は味の骨格や輪郭となる大事な要素。酸っぱいから酸味が出ないようにする、ではなく、酸味以上にしっかり甘さを出して丸く柔らかい味にしよう、というアプローチがいいかもと思います。

鋭い味を感じてしまっている限りは、もっと成分を溶け出やすくするために、お湯と粉の接触を増やして、甘さを溶け込ますようにすることで、甘さを軸に全体が丸くバランスよくなり、もっと飲みやすく心地よい味わいになるはずです。


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浅煎りにする意味

浅煎りで焙煎する意味。もちろん、焙煎する人やコーヒー屋ごとに理由や狙いは様々で、いろんな思いをもってそれぞれのアプローチで焙煎をしています。焼く人それぞれにそれぞれの美味しさがあって、いろんな個性を楽しめるのがコーヒーの楽しいところですよね。


ただ僕が思うのは、浅煎りにすることで「クリア」な味わいになることは、とても大事な要素であり目的の一つだと思っています。


クリアだからこそ、その透き通った先の繊細な違いや個性が感じられる。


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個性があるシングルオリジンコーヒーでは、よくフルーツに風味をたとえられることが多くあります。オレンジのような、イチゴのような、ブドウのような...。

もとのコーヒーチェリーの「品種」や、標高や土壌などの「栽培環境」、そして収穫後のチェリーの後処理である「精製」などによって、個性は決まります。そして農園でのそれぞれ仕事を突き詰めれば突き詰めるほど、はっきりと個性として捉えられる面白い風味が感じられるようになるんです。農園での努力とそこから来る美味しさ。ワインみたいなイメージです。


そんな楽しい個性があるから、クリアに焙煎してみよう、というのが浅煎りのざっくりした考えかな〜と僕は思います。もちろん火を加えて甘さや質感、フルーティな香りも際立たせつつ。


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酸味が美味しい、苦味が美味しい、と感じるのは主観として人それぞれあるはずで、その中でその豆の魅力をどう切り取って伝えようかという手段の一つに、クリアに軽く焙煎する浅煎りというアプローチがある、といった感じ。手段なのでもちろん、正解不正解の世界ではなく、いろんな手段があるのが面白いんです。


クリアだからこそ出してあげよう

浅煎りの透き通ったコーヒーは、クリアだから雑味を感じにくいも言えます。イガイガ感や粉っぽさのような、成分が出過ぎたような雑味を感じるまでは、細かい挽き目にしていくほど甘さは感じやすくなります。

浅煎りの方が細かめの挽き目で淹れることが多いのも、この理由なことが多かったりします。味がより溶け込むために、蒸らしの時に粉を混ぜたり、粉全体にお湯を勢いよく注いだりすることも。

ざっくり、クリアなまま耐えてくれるから、短時間の間にどんどん出してやろう、というスタンスで淹れていく感じです。


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味の調整方法

ドリップの場合、注ぐ時間粉の挽き目で大きく成分の出方を変えることができます。お湯と粉の接触が増えるほど、成分は溶け出やすくなるんです。

なので、もっと甘くしていこうと思った時は、挽き目を細かくすればOK。僕は浅煎りのコーヒーはいつも2分くらいで注ぎ切って、3分くらいで落ち切る感じの挽き目なことが多いです。(この辺は好みなので、豆を買ったお店のおすすめで淹れるのが一番)

逆に、成分が出過ぎてしまって、喉に引っかかる感じやザラザラ感、雑味まで感じてしまっている状態の場合は、もっと成分が出ないように、挽き目を粗くすればOK。

調整ポイントが多いと複雑なので、ミルを持ってる人は時間や注ぎ方は同じにして、挽き目だけ変えるのがやりやすいと思ってます。挽き目でこう変わるのか、というのもわかりやすいので!


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お湯の温度

お湯の温度は僕はいつも、沸騰したてのお湯を常温のケトルにうつしてそのまま注いでます。香りや甘さを出してあげる方向で淹れることが多いので、浅煎りは割とアツアツでいいんじゃないかな〜って感じです。深いこと考えずゆるく淹れてるだけですが...。

粉の内側の温度までは細かく安定してコントロールは難しかったりします。そしてお湯の温度よりも、挽き目や注ぐ時間という変数の方が味を変えやすいとも感じます。細かいニュアンスまで突き詰めていくバリスタは温度も気にしますが、おうちで淹れる場合は、いつもの流れでいつも同じような温度で淹れて、変数にしないことの方が重要かもしれません。


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時間と重さを測って再現性を

ここまでいろいろ書いてきましたがざっくり、さっと2分くらいで細かく挽いて甘さをちゃんと出してあげると、クリアかつ丸くなって美味しいよー、という感じです!

美味しかった淹れ方がその時の感覚によるたまたまにならないように、重さと時間をスケールとタイマーで測ってあげると、コーヒーの味の出方は安定しやすいです。

どんな豆でも関係なくですが、注ぐ時間と、粉とお湯の重さを測ってあげるだけで、いつも狙い通りの味を再現し続けられるはずです。


僕がいつも淹れてる浅煎りのドリップレシピはこんな感じ。

粉 14g
お湯 230g(粉の16.6倍)
注ぎ 2分(蒸らし30秒込み)
挽き目 落ち切って3分くらいの挽き目

豆の種類、お店の焙煎アプローチ、味の好みによって違うけど、参考までに。


淹れてる様子は動画でも紹介しているので、もっと知りたい方はよかったら見てみてください。

クリアかつ軽やかに淹れるけど、甘さはしっかり出す、という絶妙な難しさがありますが、そんな味のコントロールはどんな焙煎であっても同じなはず。もし浅煎りのコーヒーでうまくいってない人は試してみてください。


淹れ方が悪いのか豆が合わないのか?

淹れ方が難しくて美味しくならないことも確かにありますが、そもそも豆の個性が自分に合っていないことだってあります。好き嫌いが生まれるくらい味で惹きつけてくれるのがコーヒーの楽しさでもあります。

ドリップしてる限り技術によって味をコントロールすることになるので、豆の味を確かめたい時は技術が入らない「フレンチプレス」で抽出してみるといいかもしれません。


フレンチプレスは、こんな感じの紅茶と同じ淹れ方の器具。粉をお湯に4分浸すというだけで、淹れ方の上手い下手もなくコーヒーを楽しむことができます。豆5gに対して80mlのお湯の比率のレシピです。

淹れ方に不安な方はまずこのフレンチプレスで淹れてみて、豆の個性や技術なしでの味を確かめてみて、別の豆を買うきっかけにしたり、この個性をドリップでもっと心地よく引き出そうと淹れてみたりと、ベースの味にしてみてもいいかもしれません。


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どんな豆でも、どんな淹れ方でも、美味しければそれで最高だと思います。

細かい技術の追求、人それぞれのこだわりが生まれるほど、コーヒーに魅力があるのがいいことですよね。


自分の好みじゃないものを否定することなく、過去の好みだけに固執することもなく、まだ出会ってない新しい美味しさを感じていけたらきっと楽しいと思って、今日は浅煎りのコーヒーのアプローチについて書いてみました。


みんなで美味しいコーヒーを気軽に楽しんでいきましょー。



川野優馬



さいごに

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