これからの日本のコーヒー、価格と質
日本のコーヒーシーンはこれからどうなっていくんだろう。
勝手にわくわく、色んな妄想をしている。
日本で一番飲まれているであろうコンビニコーヒーは100円台前半。楽天で売れてるコーヒー豆は1g 1円。一方スペシャルティコーヒーは1杯500円、豆は1g 8円はする。
なんとなく流れを見ていると、おいしいコーヒー、素晴らしいコーヒーはもっと値段が上がっていくと思う。もう東京では1杯600円、700円は普通で、飛び抜けた体験には2000円も3000円もつく。
実際生産地でのチェリーの原価や人件費も輸送費も上がっているし、せっかく良いコーヒーを飲みに行くならより飛び抜けたコーヒーを飲みたい消費者も一定数いると思う。
価格と量をいいバランスで取るコーヒー屋もいる一方で、気軽でボリュームを支えるコーヒーとスペシャルなコーヒーの価格差は広がって、二極化が進むかもしれない。
いつ、スペシャルなコーヒーを、はじめて飲んでみようと思うだろうか。
思わず行きたくなるようなお店の存在、家での趣味を作りたいと思って検索して出会った情報、友達や家族の紹介、いろんなきっかけがあると思うけど、共通してきっと、おいしいコーヒーにステップアップしよう、トライしてみようという段階があるような気がする。
家の近くのお店の気軽なラテから、もっと美味しいのを飲んでみたいなと思っての+100円や離れたお店へのアクセス。
こうやって一歩ずつおいしいコーヒーの階段を登っていく消費体験を考えると、二極化になった時、ステップとしての間のポジションが消費体験では必要になってくるかもしれない。
おいしいけど気軽でボリュームもある、一番難しいことだと思うけど誰かがその存在になるだろう。どんな伝え方ができるだろう。そのお店にはどんな人がどこで知ってくるんだろう。自分もそんな仕事ができるかな。
そう思うと、スペシャルティコーヒーとコモディティコーヒーの境界も、極端にはっきりした後、また曖昧になっていくかもしれない。
そもそも飲む人が満足すればそれはおいしいコーヒーだし、カップクオリティという評価軸だけではコーヒーの価値ははかれなくもなっている。
一方で豆を買ってもらうハードルの方が低いのかもしれない。
海外と比べても、これだけみんながドリップに親しみを持っていて、こんなにドリップ用の豆が売れる国もないと思う。150g 1500円の豆でも1杯150円。
ドリップ自体楽しいし、仕事やスマホにも触れない感覚的な5分。気分も切り替わる。
手間を楽しむ少しの余裕さえあれば、器具や豆を選ぶための入口さえ増えれば、日本では家でのドリップも、みんなの消費体験を支えて、量と質を支える大きな文化であり続けると思う。
僕らロースターやコーヒーショップにはこれから何ができるだろう。どんな仕入れをして、どんな発信ができるだろう。
量が伴う低価格と、質に振り切る高価格の動きの中で、お店の意思やチャレンジがこれから現れてくるかもしれない。
川野優馬
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